専門医療分野

腹腔鏡センター(消化器・一般外科)

はじめに

微小外科手術 当院外科は定型的な外科手術に加え、①超進行癌の切除、肝胆膵領域の手術、難治な再発癌に対する切除など根治性を重視した高難度拡大手術と相反する②腹腔鏡をもちいた低侵襲手術を積極的に行っています。ここでは②の腹腔鏡手術を含めた低侵襲手術について具体的に述べたいと思います。

整形外科

腹腔鏡下手術とは

腹腔鏡手術とは、お腹を大きく開けておこなう従来の開腹手術と違い、5mm~1cm程度の穴を数か所開けて行う手術方法です。その穴の1つから、カメラ(腹腔鏡)を挿入してモニターでお腹の中を観察し、鉗子(かんし)という道具を使って手術をします。胆石症や虫垂炎の手術では、ご希望があれば「単孔」といって、おへそに開ける1つの穴だけで手術を行うことも可能です。

  • 胃癌術後の傷 胃癌術後の傷 術後7日目に退院
  • 虫垂炎の手術 単孔式の傷 虫垂炎の手術
  • 鼠径ヘルニアの傷 写真 鼠径ヘルニアの傷

腹腔鏡下手術の利点

腹腔鏡手術のメリットは傷が小さくて済むので

①美容面にすぐれている
②痛みも軽減される
③手術後の回復が早く、早期の退院が可能
④腹腔内を隅々まで観察できる
⑤手術後の癒着が少なく腸閉塞になりにくい

といったメリットが挙げられます。

腹腔鏡下手術の対象疾患

こんにち鏡視下手術は目覚ましい進歩を遂げており、当科でも多くの疾患に適応を広げています。当院でおこなっている腹腔鏡を用いた手術には

[予定手術]
①比較的早期の胃癌/結腸・直腸癌
②胆石症
③鼠径ヘルニア(足の付け根部分の脱腸)
④腹壁瘢痕ヘルニア(昔の手術の傷跡の脱腸)
⑤肝腫瘍
⑥胃粘膜腫瘍に対する内視鏡治療との合同手術

[緊急手術]
①急性虫垂炎
②急性胆嚢炎
③腹膜炎手術(胃/十二指腸潰瘍の穿孔)

などがあげられます。

腹腔鏡下手術の実績

腹腔鏡下手術 2016年度は201例に鏡視下手術を経験するに至り、これは全身麻酔を要した手術673例の約30%に相当しています。なかでも虫垂炎・胆嚢炎・潰瘍穿孔の腹膜炎などの炎症性の良性疾患は、可能であれば腹腔鏡手術をおすすめします。腹腔鏡でお腹のすみずみの膿の洗浄もでき、小さな傷で済みます。特に肥満の方・炎症の強い方は従来の開腹手術では傷が大きくなる為、腹腔鏡手術はよりメリットがあると思います。さらに、2015年からは、一部の鼠径ヘルニアにも腹腔鏡による修復手術を導入し、現在その適応は拡大しつつあります。その結果、患者さまの術後疼痛の軽減や早期社会復帰など、大きなメリットをもたらしています。

最後にメッセージ

癌の手術であれば治療ガイドラインと照らし合わせ、腹腔鏡手術の適応と判断された方は、腹腔鏡手術をひとつの選択肢として考えていただければと思います。すべての患者さまに腹腔鏡手術を勧めるわけではなく、患者さま一人ひとりに対し最良の治療法は何かを常に考え、しっかりとご説明させていただきます。最終的には患者さまご自身に決めていただくことになりますが、腹腔鏡手術は回復も早く整容性も良く、腸閉塞なども防げます。腹腔鏡手術のメリットが多いことは間違いありません。ご希望があればご相談ください。最良の選択肢を一緒に見つけましょう。