専門医療分野

手の外科 マイクロサージャリーセンター

ごあいさつ

微小外科手術 手には機能的(物をつまむ、つかむ、握る、物を下げる、物を押すなどの運動機能と、痛い・熱い・硬い・重いなど感覚機能)な役割と美容的な役割があります。これらの機能の障害は、外傷や疾病によって引き起こされますが、一度これらの機能障害を来たすと日常生活においても仕事の上でも大きな不便さを感じることとなります。
これらの機能障害をできる限り少なくなるよう、手術用顕微鏡を使った微小外科的手術手技(マイクロサージャリー)や手外科の手術手技を用いて最善の治療を行います。

手指の切断などの手の重度外傷は労働災害で起こることが一般的でしたが、最近では車のドアで挟むなど日常生活の上で発生することも多くなってきております。これらの外傷の治療には手術用顕微鏡を使い、直径が1㎜以下の細い血管や神経を縫合するための専門医の治療が必要となります。当院では、平成24年4月より手術用顕微鏡を使用した微小外科手術(マイクロサージャリー)を行っています。

手外科専門医が扱うケガ・病気

  • 切断された組織の再接合(切断指再接着)
  • 粉砕骨折の整復・固定
  • 手のしびれや痛みの治療
    手根管症候群、肘部管症候群、胸郭出口症候群、ばね指など
  • 失われた手の運動機能の再建
    麻痺に対する腱移行術など
  • 欠損した組織の修復(遊離組織移植)
    外傷、腫瘍切除などにより欠損した骨、筋肉、皮膚などを血管や神経を縫合して再建
  • 手の骨折、脱臼、腱神経断裂、靭帯断裂の治療
  • 手の先天異常の治療

また指尖部のケガでは爪の損傷を伴うことが多いのですが、最初に適切な治療を受けないと重大な爪の変形を来たすこともあります。爪の変形を最小限にする治療法や爪の変形に対する治療も行っています。

手根管(しゅこんかん)症候群とは

微小外科手術 手首の手のひら側にある骨と靭帯(じんたい)に囲まれた“手根管”というトンネルの中を、正中神経と指を曲げる筋肉の腱が通っています。このトンネルのなかで神経が慢性的な圧迫を受けて、しびれや痛み、運動障害を起こす病気が手根管症候群です。手の酷使、妊娠によるむくみ、骨折や腫瘤(しゅりゅう)によるトンネルの圧迫、血液透析(とうせき)によるアミロイドという物質の沈着・・・など、さまざまな原因があります。初めは人差し指、中指を中心にしびれと痛みが起こります。しびれは親指と薬指に及ぶこともあります。進行すると親指の付け根の母指球筋(ぼしきゅうきん)という筋肉がやせ、細かい作業が困難になります。しびれや痛みが軽症~中等症の場合は、手首を安静に保つための装具を使用したり、飲み薬、ブロック注射などで治療します。これらの保存療法が効かない場合や筋肉にやせ細りがある場合は手術が必要になります。悪い状態が長く続くとトンネルを開放する手術だけでは回復できず、腱移行術という健康な筋肉の腱を移動する手術が必要になる場合もあります。

肘部管(ちゅうぶかん)症候群とは

小指と薬指の感覚、及び手指の筋肉を支配する尺骨(しゃっこつ)神経が、肘の内側の肘部管というトンネルで“圧迫”や“引き延ばし”を受けて発生する神経麻痺です。神経を固定している靭帯やガングリオン嚢腫(のうしゅ)による圧迫、小児期の骨折によって生じた外反肘(がいはんちゅう/肘を伸展させると過剰に外側に反る変形)などが原因です。麻痺の進行により症状が異なりますが、初期は小指と薬指の一部にしびれが生じます。麻痺が進行するにつれて手の筋肉がやせてきたり、小指と薬指がまっすぐに伸びないかぎづめ変型が起こります。初期でしびれや痛みが軽症の場合は、肘を安静にして、消炎鎮痛薬やビタミンB剤を内服します。これらの保存療法が効かない場合は手術となり、尺骨神経を圧迫している靭帯の切離やガングリオンの切除をします。

ばね指とは

指には関節を曲げたり伸ばしたりする「腱」がついており、そのうち指を曲げる腱を「屈筋腱」といいます。その屈筋腱には指を曲げる時に腱が浮き上がらないようにする組織があり、それを「靭帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)」と呼びます。この屈筋腱と靭帯性腱鞘との間に炎症が起こると、指の付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。これを腱鞘炎と呼び、進行するとばね仕掛けのように動く症状が現れます。これがばね指です。保存療法としては、指の過度な使用を避け、装具をあてて固定することもあります。症状が強い場合は局所麻酔薬入りステロイド剤を腱鞘内に注入します。保存療法で効果がない場合は手術を行います。切離するのは腱鞘の一部ですので、小さな傷で済みます。