専門医療分野

血管内治療センター

ごあいさつ

根来医師 脳神経血管内治療についてご存じの方はまだ多くありませんが、脳神経外科の分野で今、最も注目されている治療方法です。従来の脳神経外科手術で術後起こりがちであった手足の麻痺や記憶喪失など、日常生活の妨げとなる脳機能障害を可及的に減らすために考案された治療です。主に脳血管の病気をターゲットにしていますが、脳腫瘍などにも徐々にその治療範囲を拡げつつあります。
外来診察時には患者さんが病気をどの程度把握してどうしてほしいのかをキャッチします。そして可能な限り患者さんのご希望に合わせたいと考えています。治療に要する時間は平均約3時間、さらにほとんどの場合は局所麻酔での手術となりますので、患者さんとお話ししながら手術を行うこともできます。
患者さんとのコミュニケーションを通じて、患者さんへ安心感をお届けしたいと考えています。

低侵襲治療の代表のひとつ「血管内治療」

血管内治療 従来の外科手術は人体に「侵襲※」を与えるため、侵襲を低くするための様々な試みがなされて今日に至っています。「内視鏡手術」、「血管内治療」がその代表的なもので、「低侵襲治療」と呼ばれています。(※「侵襲」は「医学上の理由で意図的に人体に加える侵害」を意味します。)
「内視鏡手術」では、小さな皮膚的切開から内視鏡を挿入し、内視鏡を見ながら臓器の病変部を切除します。
一方「血管内治療」では、血管の中にカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、その中を通して器具を誘導し、病気の治療を行ないます。いずれも手術後ベッドに寝ている日数が短くて済み、当然、社会復帰も早くなります。この際注意しなければならないのは、従来の外科手術と比較し、「低侵襲治療」による治療効果が“同じ”か“それ以上”でなければならない点です。皮膚切開は小さいが得られる治療効果も小さくては困るわけです。またこの治療は遠隔手術になりますから、術者にも高度な習熟度が要求されます。

脳血管内治療の発展

脳神経外科の領域では、脳卒中の原因となる血管の病気(脳動脈瘤や脳梗塞など)を、血管の中から治療する「脳血管内治療」がめざましい発展をしてきています。脳神経外科の分野で今、最も注目されている治療方法です。
主に脳血管の病気をターゲットにしていますが、脳腫瘍などにも徐々にその治療範囲を拡げつつあります。脳血管内治療では、頭を大きく切ることなく、脚の付け根(ソケイ部)の血管から太さ1mm位のマイクロカテーテルという管を入れ、その中を通して器具を脳まで誘導し、治療します。これは「血管の病気は血管の中からアプローチすればいい」という考えに基づいた治療法で、これを「水道工事」に例えてみますと、水道蛇口を修理する時に、屋根と天井をはずして直す(従来の脳神経外科手術)のか、水道管の中から直す(脳神経血管内治療)かの違いです。どちらが体にとって楽なのかは、おわかりいただけると思います。血管内治療は傷が小さく、回復までに時間がかかりません。
また、従来の頭を開いて行なう開頭術では後遺症を生じる可能性が高い、脳深部に存在する病気に対して効果を発揮します。主にくも膜下出血を生じる「脳動脈瘤」、脳梗塞の原因となる「頚動脈狭窄症」が代表的なものとなりますが、一宮西病院では、脳神経外科血管内治療センター、センター長の根來眞医師が直接治療に当たります。根來医師は脳血管内治療の創世記から、日本、世界をリードしています。

カテーテル

脳血管内治療とは、脳脊髄血管性病変を血管内より治療する方法で、画像(脳脊髄血管撮影)とカテーテルによる遠隔手術であり、低侵襲治療の最先端。

脳動脈瘤塞栓術

血管内治療の代表「脳動脈瘤塞栓術(コイリング)」。足の付け根(ソケイ部)から脳動脈瘤までカテーテルを挿入。その後、金属のコイルを脳動脈瘤の中に詰め、閉塞させることで脳動脈瘤の破裂を回避。

脳血管内治療の歴史

1980年代初頭、頭部の血管にカテーテルが入れられるようになったことをきっかけに、世界が「血管内治療」に注目し始めました。仲間とともに日本で研究会を発足したのは1981年です。翌年には、フランスで行なわれた初の血管内治療研究にも参加しています。

1953年: スウェーデン/セルジンガー教授が血管内にカテーテルを挿入する方法(カテーテル治療)を確立。
1974年: 旧ソ連/セルビネンコ教授がバルーンによる血管内治療(現在の脳血管内治療の基礎)を発表。
1982年: フランス/アルプスの麓で、ピカール教授の元、「WIN」グループ発足。
脳血管治療が飛躍的に進歩する。(根來医師も参加する)
1990年: イタリア/ググリエルミ医師が安全性の高いコイル(現在のコイルの基礎)を開発。
2002年: イギリス/くも膜下出血コイルとクリッピングの大規模試験を実施。血管内治療の有効性が実証される。

3次元的に血管内の病気を抽出

血管内治療は、カテーテルと呼ばれる非常に細い管を大腿部の血管に入れ、頭部まで血管内を通して行なう治療です。開頭して直接患部を見ながら行う手術と違い、画像を見ながら行うので、鮮明な画像が必要不可欠となります。今はデジタル画像を三次元化して見ることもできますので、頭の場合、邪魔になる骨を取り除き、血管だけを映し出すことができるのです。
さらに画像を回転させることで、三次元の情報が得られます。脳の中の血管を、立体的に見ることができるのです。しかし遠隔操作による治療ですので、事前の十分なシミュレーションが重要です。また同時に、短時間で画像を読み取り瞬時に判断する能力も必要とされます。

脳動脈瘤を三次元的に解析

血管の病気を三次元的に抽出

最新血管撮影装置

最新血管撮影装置
一宮西病院でも平成24年6月より稼働