特集インタビュー

消化器内視鏡の3つのチカラ

脳卒中に関する5つのこと

一宮西病院 副院長 森 昭裕(もり あきひろ)

2007年に『日本消化器内視鏡学会』 学会賞受賞。
2010年には『世界消化器内視鏡学会』 研究賞受賞。
海外医療雑誌での論文掲載、中国からの研修医師の受入(海外との医療交流)など、世界で活躍する内視鏡のスペシャリスト

最大の目的は早期発見
内視鏡で何がわかるのですか?

森医師 内視鏡検査の究極の目的は“早期のがんを見つけること”です。バリウム検査では見つからないようながんも早期発見することができます。
早期の胃がん、食道がん、大腸がんの検査はもちろん、ポリープの切除、胆道がん診断、胆道結石の治療、各種止血術、黄疸、腸閉塞の診断治療なども可能です。

負担の少ない経鼻内視鏡
内視鏡(胃カメラ)といえば口から入れるものですよね?
ちょっと抵抗があるのですが…

従来の内視鏡は口から入れるため「苦しいから嫌だ」という人も多いと思いますが、今は苦痛が少なく、検査中に医師との会話も可能な鼻から入れる内視鏡、“経鼻内視鏡”があります。この経鼻内視鏡は口から入れるものよりも細く、直径はおよそ5~6ミリです。鼻から入れるため嘔吐反射も少なく、身体への負担が少ない内視鏡です。

経鼻内視鏡検査は本当にラクなのですか?

口から入れる内視鏡を使った場合と経鼻内視鏡の場合で、患者さんの体への負担がどれくらい違うのかを調べてみました。その結果、口から入れた時は、ストレスがかかると活発になる交感神経の刺激が強く、血圧の変化も高かったのですが、経鼻内視鏡の時はこの変化が明らかに緩やかでした。客観的に見ても、経鼻内視鏡による検査は体への負担が少ない検査だといえます。
2010年にはこの研究で“世界消化器内視鏡学会研究賞”を受賞しました。これにより「経鼻内視鏡は苦痛が少ない」というお墨付きを、世界的学会からもいただいたということになります。また、経鼻内視鏡でやっても苦しいという人は、大抵、麻酔が不十分な状態でやった方だと思います。私は麻酔を適切に塗れるように、専用チューブを開発しました。そういうものを使って麻酔を行えば、限りなく体へのストレスを減らすことが出来ます。“経鼻内視鏡だからラク”なのではなくて、“やる側がどこまで適切にやるかが大事”なのです。
経鼻内視鏡検査は胃の動きを止める筋肉注射や、意識を無くす注射も必要なく、車の運転など検査当日の行動も制限されません。お仕事中やご高齢の方にもお勧めできます。
経鼻内視鏡で内視鏡検査の敷居を下げ、多くの方に内視鏡検査を受けていただければ、おのずと早期のがんを発見できる確率も高くなります。

ここまでできる!内視鏡によるがん治療ESD
万が一、ガンが見つかったら・・・?

必ずしも外科的手術になるとは限りません。“ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)”という、早期がん治療に有効な、身体的負担の少ない内視鏡治療があります。(※経口内視鏡/静脈麻酔下で行う治療です。)ESDは、病変に応じて切除する範囲をあらかじめ決め、その周りを正確に切開し、剥離・切除する治療です。病変が深いもの(胃の内面の粘膜表面から外側の壁へ進行した進行がん)でなければ、どれだけ広い病変であっても一括切除が可能です。当院でも直径13cmの胃がんや、9cmの直腸がんの切除経験があります。以下のような手順で治療をします。

内視鏡によるがん治療の流れ
最後にメッセージ

当院では健診センターでピロリ菌および慢性胃炎の有無を血液検査で調べることができる「胃がんリスク判定(ABC検診)」を行っています。ピロリ菌感染または慢性胃炎のどちらかが認められれば、早期胃がん発見のため内視鏡検査を受けなければなりませんが、お話しした通り経鼻内視鏡であれば検査は苦しくはありません。なによりもまずは検査が大切です。早期発見、早期治療で胃がんと対峙しましょう!

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