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「認知症」について知っておきたい5つのこと

「認知症」について知っておきたい5つのこと


毎月、何百人という認知症の方が、当院のもの忘れ外来を訪れています。初めて相談に来られる人たちの約半数は、認知症の予備軍や、ごく初期の認知症の方です。

水野 裕(みずの ゆたか)
いまいせ心療センター副院長
認知症疾患医療センター長

1.認知症とはどんな病気ですか?

何らかの原因で、認知能力が低下した状態を、総称して「認知症」と呼んでいます。原因は、様々な身体疾患、ホルモン異常、外傷などいろいろです。皆さんが、テレビ、新聞でよく目にするアルツハイマー病は、認知症を引き起こす原因疾患のひとつです。他にレビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、脳血管性認知症などがあり、それぞれに特徴があります。

2.認知症を予防することは可能ですか?

認知症とは、認知能力が低下している状態の総称ですから、その意味では、ある程度は可能です。糖尿病があるのに、治療をしないでおくと、認知能力は低下しますが、適切に治療をすれば改善します。ですので、生活習慣病などは健康診断を定期的に受け、見つかれば、早期に治療することが重要です。しかし、残念ながら、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などを予防することは、現代の医学では不可能です。脳血管性認知症については、塩分の摂りすぎに気をつけたり、高血圧、高脂血症などを適切に治療したりすることによってある程度は予防が可能です。

3. 認知症と診断されたら、介護保険を使ったほうがよいのでしょうか?

25年くらい前に、「もの忘れ外来」を始めたときは、「ひどくなったら、病院に入院させてもらって、面倒をみて欲しい」という切実な願いを持っての受診がほとんどでした。今は、早期受診が当たり前となり、年間1,000名前後の初診の方の約半数は、一見して何の問題もなく、最新の画像技術や心理検査で、ごく早期の認知症の疑い、とされるかまだ予備軍にとどまっていると診断される人たちです。自分の身の回りのことができているのに、無理に介護施設の利用を考える必要はありません。

4.ひどくなるまで、何もしなくていいのですか?

日本では、介護を要する人や、今後、介護を必要となる可能性が高い高齢者への仕組みは充実しています。介護保険を利用した、通所介護や予防事業と呼ばれるものです。しかし、早期に診断を受けた人をサポートするシステムは、ほとんどないのが実情です。特に、ちょっとした支援を受ければ、まだまだ、社会的な活動もできる人たちは、重度の人たちが通所するデイサービスなどを拒み、家族と衝突することがよくみられます。そのため、いまいせ心療センターでは、身体的に自立している(着替え、トイレなどに介助の必要がない)人たちを対象に、一般の人と同じ、お仕事を用意し、働いていただいています。作業手順を覚えられず、すぐ忘れてしまうような人であっても、私たちスタッフが支援をすれば、さまざまな仕事ができると思います。一般の内職と同じですから、小額ですがお給料がでます。

5.親が一人暮らしです。事情があって、同居はできません。認知症と言われたら、施設に入ってもらうしかないのでしょうか?また、認知症になったら、人に迷惑をかけるかもしれないので、町内会などは辞めさせようと思います。

今までは、「認知症=施設」という構図が一般的でした。今は、まずは、私たちのような「働く場」に来ていただいたり、その後は、お風呂をデイサービスで入ったり、食事を宅配で受けたりすれば、認知症が重度になっても、多くの人は、自宅で一人暮らしを続けることは可能です。特に、一宮市は、認知症の人が一人暮らしであっても、それを支援するような、ゴミ出し、ヘルパーによる掃除、調理、訪問診療などが充実しています。