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小児科アレルギー 知っておきたい3つの話


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小児科アレルギー 知っておきたい3つの話

小児科部長
杉山 剛(すぎやま たけし)
  • 主な資格/日本小児科学会 専門医・指導医、日本アレルギー学会 専門医・指導医、日本睡眠学会 認定医、The Best Doctors in Japan 2016-2017
  • 得意分野/小児呼吸器(睡眠時無呼吸症候群)、小児アレルギー(花粉症・アトピー性皮膚炎)

1.小児アレルギーの種類

小児アレルギーにはどんな種類があるのですか?予防法はあるのですか?

小児に限らずアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、喘息、花粉症など、これらのアレルギー疾患を一つの病気として考える「アレルギーマーチ」という言葉があります。アレルギー体質の赤ちゃんは低年齢時にはアトピーや食物アレルギーが出て、少し大きくなると喘息になりやすくなり、喘息が終わると花粉症になる・・・あたかも楽曲を変えながらも行進していく「マーチ(行進曲)」のように、年齢とともにアレルギーの症状が変わるという考え方です。その中で私が取り組んでいるのが、アトピー性皮膚炎の予備軍である、赤ちゃんの乾燥肌への対応です。赤ちゃんの1カ月検診を調査したところ、半数以上が皮膚になんらかのトラブルを抱えていました。赤ちゃんの時のスキンケアは、アトピー性皮膚炎を防いでくれるだけでなく、その後の食物アレルギー、喘息、もしかしたら花粉症への進展までも防げるかもしれないと言われ始めています。

2.受診の目安は?

すぐに受診したほうが良い場合とそうでない場合とあるかと思いますが、その見分け方を教えてください。

アナフィラキシーショック

アレルギー疾患が命の危機に陥ることは稀です。注意しなくてはいけないのは、気管支喘息の発作が起こったとき、そして食物アレルギーでアレルギー誘発食物を誤食してしまった時、この2つです。特に食物アレルギーの場合、大体30分から1時間以内に強い症状、「アナフィラキシー」という症状がでます。アナフィラキシーとは、アレルギー症状が多臓器にわたって同時に出ることです。卵を食べて皮膚が痒い…という場合は様子をみていればいいかもしれません。しかしそれに加えて、鼻水も出てきた、くしゃみも出てくるとなると、皮膚病変+呼吸器病変ですね。このように2つ以上の症状が出てきた場合、これはもうアナフィラキシーです。さらに注意してほしいのは腹痛を伴う下痢で、これは重症化しやすいです。アナフィラキシーが進むと、意識状態がはっきりしない「アナフィラキシーショック」という最も危険な状態になります。単一症状なら様子見、アナフィラキシーなら出来れば病院へ、そしてアナフィラキシーショックが起きたら迷わず救急車、これが食物アレルギーの受診の目安です。

3.アレルギーのケアにつて

色々なアレルギーがありますが、それぞれのケアについて教えてください。

アレルギーケアについて

各アレルギー疾患に対して、治療法はかなり違います。食物アレルギーは必要最低限の食物除去を続けながら、血液検査で経過を見て少しずつ除去を解除していきます。怖いから何にも食べないということではなく、必要最低限の食物除去で、アナフィラキシーに注意しながらみていくことが大切です。気管支喘息は、発作が起きないように定期的にしっかりとお薬を飲みながら、コントロールすることが大切です。喘息はステロイドの吸入薬でかなり改善されるようになりました。薬をしっかり飲んで、必要なくなったらやめる、という向き合い方が良いと思います。花粉症は、今までは症状が出たらそれを抑えるという対処療法が主でしたが、今は花粉が飛んでも症状が出ないようにする免疫療法が登場しました。アトピー性皮膚炎は、治療の3大柱「環境整備」、「薬物療法」、「スキンケア」が重要です。例えばですが、埃がつきにくい環境を子供に提供してあげること、これが環境整備にあたります。薬物療法はステロイドの塗り薬です。“ステロイドは怖い”というのは誤認で、怖がって塗らないのが一番良くありません。専門医であれば症状に合ったレベルのステロイドを処方してくれます。用法・用量をしっかり守れば怖くありません。お風呂上がりのスキンケアも非常に大事です。お風呂の時には、できれば手でしっかり泡立てた石鹸で体を洗ってあげて、アトピーがひどい場合は入浴せずにぬるま湯のシャワー浴にしてあげてください。風呂上がりはタオルで押し拭きしてあげて、10分以内に保湿剤をたっぷり塗ってください。そうすることで処方するステロイドのレベルも量も下げることができます。

最後にメッセージ

アレルギーは、日々のケアや対処次第では、コントロールできるものです。「僕は喘息を持ってるけどオリンピックを目指すんだ!」というような話も、決して夢ではありません。子供たちは未来の宝です。子供たちにベストパフォーマンスを発揮させるのが我々小児科医の使命と考えています。悩む前に、子供たちの未来を信じて、一度受診してください。

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