医療機器と取り組み
医療機器
三次元動作解析装置「キネマトレーサー」
人間の動作を三次元的にコンピューターに取り込んで、数値化・見える化を実現する装置で、近年では、スポーツでの動きの比較や、リハビリテーションにおける回復過程の診断や評価などに用いられます。また、筋電図測定装置との併用により、客観的・具体的にリハビリの効果を測定し、分析ができます。リハビリの効果を”見える化”することで、患者さまの意欲向上に繋がります。
筋肉へ伝わる電気信号をキャッチ「PASシステム(IVESアイビス)」
PASシステム(IVESアイビス)麻痺のない方は体を動かすとき、脳から指令が出て、動かしたい筋肉を動かします。指令は、電気信号として神経を通って、筋肉に伝えられ体を動かします。しかし、脳梗塞や脳出血で脳に障害を受けると、電気信号を伝える神経も障害されます。そのため、筋肉へ伝わる電気信号が弱くなり、動かしたい筋肉が動きにくい、動かないといった麻痺になります。PASシステムは電気信号をオート制御で出力できる先進のトレーニングシステムです。
脳からの発信される微弱な電気信号を的確にキャッチして、麻痺のある筋肉に最も適した電気刺激を伝えて筋肉を動かします。これを繰り返し行うことで、麻痺している筋肉が動かしやすくなり、麻痺の改善の可能性が期待されます。さらに、携帯が可能のため、さまざまな場所でのトレーニングが可能です。当院ではリハビリテーション科内でPASを研究するグループを立ち上げ、PASの有効的な活用方法を検討しています。
免荷式リフト「POPO(ポポ)」
リフト機能で安全に立ち上がり、免荷機能で負担を軽減して歩行することが出来る歩行訓練器です。
転倒するリスクを減らし、意欲的に歩行訓練に取り組むことができます。
[適応症例]
これまでにない歩行訓練を実現し、立ち上がって歩行することへの「不安」と「負担」を軽減します。
転倒するリスクを減らし、意欲的に歩行訓練に取り組むことができます。
[適応症例]
- 脳卒中後の片まひの方
- 足の骨折後の荷重制限のある方
- 変形性の関節疾患があり歩行に痛みを伴う方
- 足の筋力低下に伴い歩行に不安のある方など
これまでにない歩行訓練を実現し、立ち上がって歩行することへの「不安」と「負担」を軽減します。
ロボットスーツ医療用HAL
[対象となる疾患]
- 脊髄性筋萎縮症(SMA)
- 筋萎縮症側索硬化症(ALS)
- 遠位型ミオパチー
- 先天性ミオパチー
- 球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
- シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)
- 封入体筋炎(IBM)
- 筋ジストロフィー
※「ロボットスーツ医療用HAL」については、適応となる方を対象に対応しております。
取り組み
摂食嚥下チームの取組み
摂食嚥下チームで、嚥下訓練も積極的に行っています。嚥下(えんげ)とは飲み込むことです。脳血管疾患や高齢により嚥下機能が低下している方に対して、看護師や言語聴覚士が協力して、口から食べられるようにトレーニングを行います。
干渉波電気刺激装置で嚥下障害にアプローチ
干渉波電気刺激により、嚥下反射を起こしやすくし、嚥下障害の改善を目指します。
干渉波電気刺激により、嚥下反射を起こしやすくし、嚥下障害の改善を目指します。
舌圧測定器で舌の筋力を測定
舌圧を測定することで患者様にあった訓練レベルを設定します。訓練の効果も評価できます。
舌圧を測定することで患者様にあった訓練レベルを設定します。訓練の効果も評価できます。
高次脳機能障害チーム
病気や怪我などで脳に損傷を受け、言語・思考・記憶・行為・学習・注意に障害が起こることを高次脳機能障害と言います。注意力や集中力の低下、新しいことが覚えられない、感情や行動の抑制がきかなくなる、よく知っている場所や道で迷う、言葉が出ない、物によくぶつかる等の症状が現れ、周囲の状況に見合った適切な行動がとれなくなります。治療はリハビリテーションを中心に行い、脳の機能回復を目指します。
2つのリハビリプログラム
- 機能訓練プログラム(記憶訓練・注意訓練など)
- 生活訓練プログラム(内服管理・金銭管理・外出訓練など)
川平法(促通反復療法)
川平法(促通反復療法)とは、鹿児島大学の川平和美名誉教授が提唱した、脳卒中の片麻痺に対する治療法です。脳梗塞や脳出血では、手や足が動かなくなる麻痺が現れます。川平法は正しい動きのパターンを繰り返すことで、遮断された神経回路を新しく再構築させて麻痺を改善させるという考え方です。当グループでは、患者さまにより良いリハビリテーションを提供できるように、常に技術向上に努めています。
ここがポイント!
- 川平和美名誉教授による実技指導
- 鹿児島大学での研修を実施
- 院内での定期的な研修・実技指導
提唱者である川平和美名誉教授からの実技指導風景