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「感じること」が薬剤師を成長させる


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「感じること」が薬剤師を成長させる / 薬剤科統括科長 三輪耕次

いかなる状況下においても「感じること」が薬剤師の意識変革、成長を促してくれることがあります。今回、私が考える「感じること」での効果をご紹介したいと思います。

●入職して「感じること」

当院では、入職して2週間から3週間は、先輩の傍らで1時間見学して、1つ質問を受け付けるといった、いわゆるジョブシャドウイングを行います。業務の流れ、時間のかけ方、動き方、考え方を「感じること」で、学生から責任ある薬剤師になったという自覚を持っていただきます。
入職後すぐに調剤業務や病棟業務に従事することは、早く仕事に慣れるという点で有用ですが、先輩が先回りして手順だけ教えても、教えてもらった人は「感じること」ができません。新しく入職された方に「感じること」が大切だと言っても理解できないかもしれませんが、入職して間もないこの時期にしか「感じること」ができないことがあり、それを大切にすることは、将来の薬剤師を作っていくうえで重要です。

●病棟薬剤業務で「感じること」

薬剤師から、病棟業務の時間がない、担当患者さんのカルテをみることができないと聞くことがあります。
まずは、SOAPを活用しP(問題に対する今後の計画)を充実させることが重要です。入院当日から患者さんの評価が確実にできていないと、何度も入院時の記録まで遡って見返す必要が出てきます。逆に100%できていれば、その後の患者さんの把握は、毎回20%程の力量でフォローできると思います。
次に、タイムキープ(業務の遂行度把握)です。例えば、1時間の会議がある場合、いつもどおりの流れではなく、優先順位を考えて、より効率の良い時間配分ができるよう業務の組み換えを行うことが重要です。
それでも時間がないというのであれば、動線や情報入手方法等に無駄がないか、見直す点がないか「感じること」です。お手本になる病棟薬剤師のジョブシャドウイングをして「感じること」も良いでしょう。とにかく五感を働かせて「感じること」だと思います。
病棟薬剤業務で最も重要なことは、自分の担当する病棟において「感じること」です。医師や看護師が、薬剤師に求めていることを放置して「感じたこと(過去形)」にしてしまえば、薬剤師は頼りにならない不要な存在になってしまいます。

●調剤で「感じること」

調剤室は、処方せん出力⇒錠剤ピッキング⇒散剤調剤⇒外用調剤⇒自動分包機の流れで一方通行になるようレイアウトされています。監査も、退院処方、至急の処方、本日分処方、明日以降の処方、定期処方と優先順位が一目でわかるように工夫しています。
ミスの多い薬剤師に比べて少ない薬剤師をみて「感じること」は、一言でいえば、効率が良いです。ピッキングひとつとってみても、薬剤棚の間を最少の歩数で移動し、考えて調剤しています。
ここでもタイムキープ(業務の遂行度把握)は重要です。調剤室の人員は少数ですが、どの部分が遅れているかを「感じること」により、薬剤師がお互いに声を掛け合って業務を遂行することができます。

●中堅薬剤師で「感じること」

新しい業務に取り組む時は、まず自分でやってみて、他の薬剤師でもできるかどうか「感じてみる」ことが重要です。多くの薬剤師で取り組むのであれば、やることによるメリットと、将来起こり得るデメリットを「感じること」で評価してみてください。業務として確立するのであれば、マニュアルを作成しましょう。
また、マニュアルが順守されているかどうかチェックすることも重要です。うまくいかない理由や、改善したほうが良い点を「感じること」でPDCAサイクルが回り、組織のレベルアップにもつながります。

●実務実習生で「感じること」

実習生の中にも積極的な学生、消極的な学生がいます。家に帰ったあとに作成していただいている実習報告書では、インターネットの情報を自分の言葉に替えて書いているものも少なからず見受けられますが、私たちはそのようなものは求めていません。特に、改訂モデル・コアカリキュラムになり代表的な疾患を体験するようになったことから、ガイドラインの熟読が求められ、情報ツールの活用が最大のテーマになっています。時折、指導する側の薬剤師が、実習報告書から最新のガイドラインの変化を「感じること」があります。実習生から指導する側の薬剤師に刺激がもたらされる瞬間です。
最後に、自分自身の変革は「感じること」によってもたらされると思います。個人差があるでしょうが、「感じること」をやめてしまったら自己開発の道は閉ざされてしまいます。

一宮西病院data

DPC特定病院群 465床
薬剤師在籍数  27名(産休3名含む)
薬剤管理指導算定数:2856.2件(2019年度下期月平均実績)
退院指導件数:1043.3件(2019年度下期月平均実績)
病院機能評価認定:3rdG:Ver.1.1
3.1.1. 薬剤管理機能を適切に発揮している 評価S