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がんと診断される前から知っておきたいこと


緩和ケアとは?

“緩和ケア”と聞くと、どういうイメージでしょうか?
従来はがん終末期のケアと考えられていましたが、現在はがん以外でも生命を脅かす病による患者や家族の苦痛を早期から緩和して、生活の質(QOL)を向上させるケアと言われています。
また、がん治療においては、診断時から緩和ケアをはじめることで、①QOLが改善する、②身体の症状やストレスが軽減する、③生存期間が延長するといった効果があるとも言われています。
つまり、治療法がないからや終末期だからということではなく、家族を含めて重篤な病気と付き合いながら生きていくためのケアとして、治療と並行しておこなうべきものなのです。

がんの治療と緩和ケアの関係

これまでの考えかた

がんに対する治療が終了するまで苦痛緩和治療は制限し、治療終了後に緩和ケアをおこなう

あたらしい考えかた

がんに対する治療と並行して緩和ケアをおこない、状況にあわせて割合を変えていく

がんと診断されてからの苦痛

がんと診断された時から痛みや息切れ、はきけなどといった身体の症状や、気分の落ち込みや眠れないなどのこころの症状、治療を続けていく際のお金のことや家族のことなどの生活をしていく上での心配といった様々な苦痛を抱えます。
緩和ケアはこのような様々な苦痛をやわらげ、自分らしい生活を送れるようにするケアなのです。

がんにともなうこころと身体のつらさ

気持ちのこと

  • 不安で眠れない
  • 何もやる気が起きない

社会的なこと

  • 働きたいけど働けない
  • 子供の世話ができない

人生に関すること

  • 生きる意味
  • 将来への不安
  • 家族に迷惑をかけたくない

身体のこと

  • 痛い
  • 息苦しい
  • だるい

治療によって生じること

  • しびれる
  • 食べられない
  • 外見が変わる

医療用麻薬について

がんによって身体の組織が傷つけられると痛みが出てくるため、その痛みをやわらげるために“医療用麻薬”を用いることがあります。
“麻薬”という言葉が付き、以前は最期に「モルヒネしかない」ということで大量に使ってそのまま亡くなってしまうという感じでしたので、あまりよくないイメージがあるかもしれません。現在は少量からはじめて、痛みの具合をみながら増やしていくので、中毒や依存ということはなく、痛みが弱まると減らしたりやめたりすることもできます。むしろ痛みを我慢している方が身体に負担をかけてしまい、日常生活や治療を続けていくことができなくなるため、症状があるときは早い段階から使ったほうがいいものです。
痛いからではなく、生活の困ったことを解決するための痛み止めとして考えてもいいのかもしれません。

コラム執筆

一宮西病院 緩和ケア内科
部長
金澤 裕信

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※本ページに掲載されている情報は、2023年11月時点のものです。
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