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第8回 健診と検診


小高 水曜日のこの時間は「健康のつボ!~病院の上手な使い方」、いざという時に頼っていく病院とはどういう付き合い方をしていけば良いのでしょうか。一宮西病院 事務長の前田 昌亮さんにお話をうかがいます。

つボイ とにかく病院のことは知れば知るほど奥が深いなという感じがしますね。

小高 そうですね。今日は病気になる前に病院に行くというケース、思いつきますか?あれですよ。「けんしん」について教えていただきます。前田さんです。

前田 「けんしん」という言葉は漢字違いで2つありますね。一つは健康の「健」を使う「健診」

小高 健康診断。

前田 健康診断の「健診」はそちらの言葉ですね。もう一つの検診は検査の「検」を使う方の「検診」

小高 本当だ、2つあるわ!

前田 そうなんです。健康診断で異常がなかったから、がん検診は受けなくてもいいや!みたいなことを考える方がいらっしゃったとしたら、それぞれの「けんしん」で目的が全く違いますので。今回の放送では、それぞれの「けんしん」って何が違うんだろうというところを皆さんと一緒に考えていければと思います。

つボイ どう違うんだろう。

前田 まずは健康の「健」を使った「健診」いきましょう。一番の代表例は、定期的に受ける健康診断のことですね。健康診断というのは、皆さん会社とかで受けられたり、住民健診などもあると思うんですけど、あれは何のためにやっているのかと言いますと、広く浅くご自身の健康状態を把握するイメージです。したがって、ちょっと血圧高かったなとか、血糖値がちょっとギリギリだなとか。そういったところで塩分を控えたり、運動しようなどといった生活習慣の改善につなげていくというのが、やはり健康診断の一番の目的かなと思います。一方、検査の「検」を使った「検診」の方は、代表例は、お住まいの市町村からがん検診のご案内とか来ません?

小高 来ます来ます。

前田 例えば、「胃がん検診」とか、女性の方でしたら「乳がん検診」などがあると思うんですが、これは国が科学的根拠がある検査を、公的な補助金を利用して、とにかくこのサービスをまずは受けてくださいということです。そして、その検診を受けることによって、重大な病気を見つけましょうというところが目的です。

つボイ なるほど。

前田 したがって、健康診断の健診の方は、自分の体の変化を、生活習慣を見直しましょう。健康という資産をちゃんと維持管理しましょうというものでして、検査の方の検診の方は、年齢に応じてどんどん健康リスクというのは侵されてますので、その重大なリスクを専門的に点検をしましょうというのが検診という形になります。この2つの違いを知っていただくのが一番大事かと思います。

つボイ 両方大事ですよね。

前田 我々は病気になった後に医療を受ける立場だと思いがちじゃないですか。でも、これからは主体的に自分自身で活用していこうという立場へ変わるために、この2つの「けんしん」を理解をしていただくというのは重要じゃないかなと思います。

小高 検査の方の検診っていうのは、がん検診とか、婦人科の検診とか、一つのある程度のカテゴリーの病気に特化して調べるということですか?

前田 はい。がんの検診がほとんどかと思いますが、胃とか肺とか大腸とか、子宮頚がんとか乳がんとか、そういったところに関して専門的な検査をしていくというものです。行政によって、すなわちお住まいの市町村によって、そのサービスの料金にはもちろん違いがあります。ですから、ご自身がお住まいのところで調べてほしいなと思うんですが、比較的安価に受けることができますので、ぜひ積極的に受けていただきたいと思います。あと追加でお伝えすると、「人間ドック」ってよく聞かれませんか?

小高 はいはい。聞きます。

前田 「人間ドック」というのは、先程申し上げた2つの「けんしん」の両方の要素を兼ね備えているんです。人間ドックはもちろん自己負担にはなってきますが、健康診断にあるような項目から、いろいろながん検診の項目までパッケージになっています。そういった意味で、人間ドックはそれぞれを網羅していると思ってたければと思います。

小高 検査の方の検診っていうのは、自分がどのタイミングで何を受けたらいいのかっていうのは、どういうふうに決めたらいいんでしょう?

前田 ちょっとそこは確かに難しいかもしれませんね。推奨の年齢になったら市町村から連絡が入ってくるんですが、じゃあ、そのタイミングまでほっといてもいいのかとか。やっぱりそのタイミングに関してご質問受けることってあるんですけど、体にもし何か不安なことがあった時に、やはり一回受けておいてほしいですね。

つボイ はい。

前田 これは早め早めの方が絶対に良くて、一回受けたら終わりというわけでもないです。ご自身の体の危ないところを常に点検しておくということは、決して悪いことじゃないと思うんです。したがって、今のご質問に関して言うならば、芸能人のがんのニュースがあったなとか、知人がそうなったなとかでも不安になることってあるじゃないですか。そういう時にリスクが自分に潜んでないかと、なるべく早く受けていただくのが私はいいんじゃないかと思いますね。

つボイ 健康の「健」を使った「健診」も、それから検査の「検」を使った「検診」も両方重要なことですよね。だから、この2つの「けんしん」をうまく使って健康の維持を図っていければなと思いますね。

小高 そうですね。来週も前田さんに病院の上手な使い方を教えていただきます。
そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

つボイ はい、質問お待ちいたしております!

小高 「健康のつボ!~病院の上手な使い方~」でした。