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第3回 様々な不整脈


(小高)
水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!

(小高)
さ、不整脈ですよ。右心房から出ている電気信号が、何らかの理由によって流れが乱れたり、遅くなったり、早くなったりする。これが不整脈なんですね。

(つボイ)
期外収縮と言われるタイプの大半は加齢とかで生理的なもので心配することはないもんなんですが、不整脈の中にはほっておくと良くないものもあると聞いておりますね。

(小高)
はい。今日はそのままにしておいてもいいものと治療が必要なケース、この不整脈の違いについて、古川先生のお話です。



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(古川)
脈が遅くなることを『徐脈』と言うんですけども、定義上は(脈拍)60以下を徐脈と言います。

(小高)
1分間に60回?

(古川)
はい。ただ60回以下だったら問題かというと、そういうわけではないんですね。60回以下の徐脈の人は全員病気で治療しなきゃいけないかってとそんなことは決してなくて、例えば普通は運動すれば脈は上っていくもんで、それが心臓の動きというか全身に血液を送るのを支えてわけなんですけども、それが徐脈になることによって脈が上がらなくなると。息切れが出る、あるいは脈が遅くなりすぎたせいで気が遠くなる・目の前が暗くなるとか、そういった症状がある場合はやっぱり治療が必要になってくることになるんです。

(小高)
息切れとか…。

(古川)
数字だけで治療が必要というわけではない、ということです。

(小高)
逆に脈が早くなる、この場合はどうでしょう?

(古川)
脈が速くなることは『頻脈』というですが。

(つボイ)
頻脈も数字で表すことができるんですか?

(古川)
一応頻脈の定義も(脈拍)100回以上とはいうんですけども、これも例えば運動すれば当然脈は速くなります、緊張しても早くなります。それは頻脈ではありますけども治療が必要というわけではなくて、あくまでも数字は100を超えてるというだけなんです。そういう人は大概24時間の心電図をはかれば夜間とかは脈が遅くなったりするので、それは正常の範囲に入ります。問題なのは、不自然に何もしてないのに突然脈が150や160に脈が早くなるってのは、それはやっぱり治療の必要が出てくる場合もございます。

(小高)
私の場合は心房細動という、脈が乱れるというか太鼓でいうと乱れ打ち。だから早い遅いじゃなくって、もうむちゃくちゃなんです。どんどんどどんどんどんどどどんどん…みたいな。そういうのは心房細動ですよ、って言われたんですが。

(古川)
そうですね。脈というのは心室が作り出すものなんですが、心房細動は心房自体が300回とか400回とかすごく早く動きすぎて心房が震えるだけになってしまうんです。心室にはその震えが適当に伝わりますので、先ほど小高さんがおっしゃったように、脈はリズムがむちゃくちゃな乱れ打ちのような状態になります。振動が心室にどれくらい伝わるかによって心拍数のというのは変わりますので、心房から心室にすごく電気が伝わりやすい人は頻脈なりますし、そうじゃない人はそんなに脈が上がらない人もいます。心房細動であっても早い人もいればそうでない人もいます。

(小高)
なるほど。期外収縮から心房細動の症状が出た時に先生の態度が一変しました。やっぱり、この心房細動になるって事は結構危険なものなんですか?

(古川)
心房細動自体が命に直接関わるというわけではないんです。ただ心房細動っていうのは先ほど言いましたが心房が震えるだけになったせいで、本来心房から心室・全身と送られるはずの血液が心房でよどんでしまうんですね。よどんでしまった結果どうなるかというと、そこに血の塊できやすくなってしまう。それが飛んでいったりして頭に詰まると脳梗塞になります。それがやっぱり問題になるかと思います。

(つボイ)
原因はあるんですか?

(古川)
心房細動に関してですか?一番多い原因は加齢、年齢だと思います。日本ってこれから超高齢社会になりますのでどんどん日本の人口は減ってくんですけども、心房細動の人口は今後もまだ増えるって予想されています。ほかにも高血圧ですとか、あと一番関係性するのが心不全。心臓が悪くなることによって心房細動が起こりやすくなりますし、高血圧の人も普通の人よりは多くなると言われてます。

(小高)
先生のお話まとめると、不整脈そのものが心筋梗塞のように直接命の危険性に関わるものではなく、だから軽いものであればまあ様子見てるだけでいいよっていうものもあるんだけれど、それがちょっと症状が重くなってくると気が遠くなったりとか血栓が出来たりとかいろんな体の不調が出てくるので、そこは深刻にちゃんと治療しなきゃいけない、ということですね。

(古川)
はい。ただちょっとニュアンスが変わってくるかもしれないんですけど、不整脈っていうのはいろんなものの総称なので、不整脈の中には当然命に関わるものもありますしそうじゃないものもあります。心房細動はそれ自体が直接突然死きたす不整脈ではないというだけであって、不整脈全てがすぐにどうこうならないっていうわけではない。危険な不整脈もあります。

(小高)
ということですので、やっぱり健康診断でちょっと異常が出たら、原因は何なのか・どういうタイプのものなのか・心配のあるものなのかというのをしっかりと先生に診てもらいましょう、ということですね。

~~~~~~~~


(つボイ)
不整脈がある/ない、ということではなくて、不整脈によってどんな症状が出ているかということが大切なんですね。

(小高)
ですから不整脈が疑われた時は、まずはしっかり検査して診断を受けることが必要になってくると、そういうわけなんですね。さぁ、そして来週はその不整脈の検査方法についてお聞きします。『健康のつボ~不整脈について~』でした。




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