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第2回 肩の痛みを引き起こす疾患にはどんなものがあるのか


(小高)水曜日は『健康のつボ~肩の痛みについて~』。一宮西病院 整形外科部長 兼 肩関節センターセンター長の梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)先生にお話を伺っていきます。

(つボイ)はい、というわけでね。意外なことに肩の構造はとても複雑だそうですね。複雑なだけにいろんな原因で肩の痛みとか不具合が出てくるということらしいですね。

(小高)今日はそんな肩の痛みを引き起こす疾患にはどんなものがあるのかというのを教えていただきますが、まずは皆さん、『肩の痛み』とか『肩の不具合』って言うとパッと思い浮かぶもの、ありませんかねぇ?気になってるんじゃないでしょうか。四十肩・五十肩と言われるものは一体何なのか。梶田先生です。


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(梶田)正式には拘縮肩(こうしゅくがた)って言います。関節が固まる拘縮ですね。拘縮肩というのが正式な病名です。

(つボイ)その方があんたよろしいんじゃないの?「四十肩なんですど…」って言ったって五十肩や。

(小高)(笑)でも四十肩・五十肩っていいますけど、20代とか30代とかでもなったりするんですか?



(梶田)頻度的には少ないですけど、ありますね。実は60代が一番多いので、本当は『六十肩』かもしれない。

(つボイ)上には上がおった。

(小高)これって原因とか、こういうことをしてるとなっちゃうよ、とかありますか?

(梶田)原因はまだ分からないことが多いんですけど、よくあるのは、なにか小さい外傷、例えば重いものを持ったとか少し肩をぶつけたとかその程度の外傷が肩に加わって、肩が反応して炎症を起こして関節を固めてしまうというのはよく言われています

(小高)女性がなっているイメージあるんですけど、男女差ってそんなにはないですか?

(梶田)いや、女性が少し多いですね。生活習慣上、肩を使わない人、運動習慣がない人であったりデスクワークするような人に非常に多いです。

(小高)そのほかで肩の疾患というとどんなものがあるんですか?

(梶田)病院に来られる中で一番多いのは、腱板断裂(けんばんだんれつ)といって、肩の中にある筋肉に損傷があると肩の痛みの原因になりますので、そういった方は非常に多いです。

(つボイ)これはどうなると、そんなことになるんですか?

(梶田)腱板断裂で一番多いのは外傷ですね。「転んだ」「肩をぶつけた」が多いですが、厄介なのは外傷がなくても腱板が切れてしまうことがあります。年齢的な変化であったり、もともとの肩を構成している骨の形であったりとかで切れやすい人はなかにはいらっしゃいます。あとは石灰性腱板炎(せっかいせいけんばんえん)といって、突然石灰が肩の中に起きてしまうんですけど、これは非常に激痛で、救急外来に来られる方も中にはいます。これも本当に原因は分かっていないんですけども、ただしこの疾患は注射とかが非常に良く効くものですから、外来に来られると注射ですぐ治すことができます。

(つボイ)ほ~!

(小高)突然痛むんですか?

(梶田)はい、本当に突然です。一晩で痛みがでます。

(小高)あと、肩関節症とか?変形性…?

(梶田)あ、変形性肩関節症ですね。いわゆる骨と骨の隙間が狭くなることを変形背の肩関節症といいますけど、軟骨がすり減った状態です。膝が悪い方も中にはいらっしゃると思いますけど、それと同じように肩も軟骨がありますので、それがすり減ると変形性の肩関節症といいます。

(つボイ)これはまたなんでなるんでしょうか?

(梶田)これも肩の使い方ですね。肩に負担がかかるような使い方をすると軟骨がすり減ってしまいます。

(小高)あと私すっごい気になっているのが1個あるんですけど、肩こりは肩関節に関わる疾患なんでしょうか?

(梶田)肩こりは実際には頸椎(けいつい)、首が原因であったりとか、そこの頸部の周りの筋肉が由来の痛みが多いですが、肩関節から来る肩こりというのも中にはもちろんありますので、肩こりについては肩であったり首であったり、いろんな原因が考えられます。

(小高)ちょっとあとで診てもらおうかしら…。

(つボイ)(笑)保険証持ってるの?あんた自費になるよ、保険証ないと。

(小高)あれ~…はい。あとはなんか肩が抜ける、実際に関節が抜けてるですか?

(梶田)はい、肩の脱臼ですね。若い人に多いんですけど、10代で肩が1回脱臼すると、80%の人は肩の脱臼癖がついてしまいます。なので10代の方で1回抜けた人は、何度も何度も脱臼を繰り返して外来に来られることがあります。

(小高)やっぱり先回伺った、複雑な動きをするのが肩関節ですから、いろんな疾患があり、悪いところも人様々たくさんあるんですね。

(梶田)そうですね。人それぞれありますが、他の膝とか股関節と大きく違うのは、骨の障害っていうのは少なくて、周りにある筋肉であったり腱であったり、そっちのほうの障害が多いのが肩の特徴だと思います。レントゲンで診断がつかないことが多くて、MRI検査であったり、超音波を使った検査じゃないと診断がつかないことが多いです。



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(つボイ)はい。色々ありますよね、肩の痛み。リスナーの皆さんもですね、ラジオネーム『自分の皮をかぶった狼さん』は肩の腱板断裂ですとか、『お風呂上りの夜空に』さんは五十肩の…あ、四十肩の経験を…。

(小高)そこ大事ですからね。

(つボイ)おんなじことなんですよ。かかった年代のことを言っている話で。

(小高)そうそうそう。でもそこは大事なんです!

(つボイ)というような、リスナーさんの中にも経験者も多いなぁという感じですね。

(小高)多いですよね~。さぁ、そんな肩ですけど、来週はどんなときに病院に行ったらいいのか、セルフチェックの方法は?なんてことを教えていただきますよ。『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。



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