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第3回 痛みの原因①(3種類)


(小高)
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがっていきます。

(つボイ)
はい。股関節の痛みに関しては、たくさんメッセージをいただいています。「ネンコロママ」さんは『まさに私、それです!痛いです』。「豊橋の友ちゃん」は『重いものが持てない背負えない、前屈できない・・・これでは農業ができません。痛みの原因を突き止めてもらって、体幹鍛えて、半年経ってやっと普段は痛み止め無しでいられるようになりました』。「あすなろ」さんは『3年前、左の股関節を人工股関節にしました。手術前は不安でしたが、今では毎日2時間ウォーキングできるようになりました』。 という、やっぱり多いですね。

(小高)
多いですね~。そしてやっぱり女性の方多いです。関節では「痛み」は症状が進行しつつあることの信号とのことです。では、そもそも股関節の痛みは何が原因なんでしょうか?中北先生にお聞きします。



~~~~~~~~



(中北)
股関節が痛くなる原因は非常にたくさんあるんですけれども、その中でも股関節自体が悪くて痛みが出る主な原因を3つ挙げたいと思います。そのうちのひとつ目は、日本人にいちばん多い「寛骨臼形成不全症」という屋根のかぶりが浅いというものですね。ふたつ目は「大腿骨寛骨臼インピンジメント」と言いまして、大腿骨は太ももの骨、寛骨臼は屋根の部分なんですけれども、この二つの骨が股関節を動かしたときに骨と骨が衝突することを繰り返してしまうというもの、そして三つ目は「大腿骨頭壊死症」と言いまして、国の難病指定にもなっている病気なんですが、大腿骨の骨頭の丸い骨の部分、大腿骨頭へ血液が流れなくなってしまって骨が壊死してしまう、または骨がつぶれていってしまう、変形していってしまうというこの3種類ですね。

(つボイ)
最初の「寛骨臼形成不全症」というのは、ずっと今までも先生に聞いてきたように、日本人は帽子の被りが浅いということですから、これはやっぱり多いんじゃないですか?この3つの中では。

(中北)
そうですね、もっとも多いですね。『変形性股関節症』が進むと、治療として人工関節置換術とう手術が必要になるんですけれども、この手術になる患者さんの大元を辿っていくと、8割ぐらいが「寛骨臼形成不全症」が原因になっているんですね。

(小高)
膝関節の場合は体重減らせ!ってよく聞きますが、股関節の場合はどうなんでしょうか?

(中北)
股関節の場合も体重を減らすことは大切なんですね。ただ膝と股関節で一つ大きく違うことがありまして、股関節は屋根の帽子が浅いことによって、大腿骨頭が屋根の中のいい位置にいられなくなって段々外れていくので、そうすると徐々に足が短くなっていく(足全体が上に上がっていく)んですね。

(つボイ)(小高)
ほう!

(中北)
足全体が上に上がっていっちゃうので、大腿骨の骨頭というのは足の一番付け根ですから、そこが上に上がっていくということは、足が短くなっていくということになります。ですから左右の足の長さが違ってきちゃうんですね。そういう差は、もう手術でしか解決できません。

(つボイ)
それは先生、立った時にわかるんですか?

(中北)
わかります。立った時も歩く時も左右の足の長さが違うので、歩く姿勢、歩き方のバランスが悪くなりますし、寝ているときに足のくるぶしの位置を見ると差がわかってくることが股関節の特徴ですね。

(小高)
それからなんだっけ、カタカナの…「大腿骨寛骨臼インピンジメント」は?

(中北)
「インピンジメント」は、日本語で言うと「衝突」という意味なんですけれども、10代後半くらいに大腿骨の骨が一部が盛り上がってくるところがありまして、大腿骨の骨頭は丸くなっていて、その先はくびれているんですね。そのくびれているところを大腿骨の頸部(けいぶ)と呼ぶんですけれども、そこの一部が盛り上がってしまって、股関節を曲げた時に屋根の寛骨臼と当たりやすくなっちゃうということがありまして、それでだんだん関節唇(かんせつしん)という周りの組織が痛んできたり、結果的にそれが年月が経つことによって、『変形性股関節症』になってくるということがありますね。

(つボイ)
若い人に起こりやすいということですか?

(中北)
そうですね、若い人やスポーツ選手、トップアスリートでもこれで手術を受けられる選手がたくさんいらっしゃいますね。

(小高)
説明して頂いた3つのいずれも、やっぱり徐々に悪くなって進行していっちゃう。

(中北)
そうですね、体重を支えている場所なので、常に股関節には負担がかかっていますので、 原因があってその原因が解決されていない以上はどんどん変形は進んでいってしまうということはありますね。



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(つボイ)
日本人の股関節の骨の形状が、もともと病気になりやすいということであれば、余計に日常的に気を付けていなければいければいけませんね。

(小高)
そして、いずれも多くは変形性股関節症になっていって、治療が必要になっていくということですね、
来週は、その「変形性股関節症」について中北先生にうかがいます。

(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(小高)
『健康のつボ~股関節の痛みについて~』でした。


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