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第9回 MOH(薬物の使用過多による頭痛)の治療


小高 毎週この時間は「健康のつボ!~頭痛について」、怖い頭痛の見分け方、つらい頭痛の治し方について、一宮西病院 副院長 脳神経内科部長の山口敬二先生に教えていただいています。

小高 慢性的な頭痛で頭痛薬を乱用していると、薬の効き目が弱くなって頭痛が悪化して、さらに頭痛薬を使うという悪循環に陥ることがあると言うんですね。

つボイ 怖いですね。薬物の使用過多による頭痛をMOHと呼ぶそうです。そうなってしまうと、今度はこのMOHを治さなければいけませんね?

小高 はい。では今日はこのMOHの治療法ってどういうものなのか教えていただきます。山口先生です。

山口 MOHとは、「薬物の使用過多による頭痛」、つまり“薬物乱用頭痛”のことです。これは、頭痛薬を飲みすぎたことが原因で、かえって頭痛がひどくなってしまう状態です。そのため、まずは乱用している薬剤を中止することが最も重要です。とはいえ、頭が痛いからこそ薬を飲んでいるわけで、それをやめるのは簡単ではありません。一度MOHになってしまうと、治療は容易ではないのが現実です。

小高 なんか、ものすごく怖い。

山口 まったく薬を使ってはいけない、というわけではありませんが、頭痛薬の使いすぎは危険だということ。そして、一旦MOHになると、その薬を使い続ける限り、悪循環から抜け出せないという事実をまずしっかり理解していただくことが大切です。

小高 安易に飲み続けていくと怖いですね。

つボイ 前に先生にお話いただいた様に、乱用することによって頭痛が起きてくるわけですからね。

小高 そうすると、もうやめられなくなってしまう。うーん、でもやめなきゃいけないわけですよね。

山口 そうですね。

小高 どうやったらやめられますか?

山口 「やめなさい」と言うだけでは、なかなかやめられません。痛みがあると、つい手を出してしまいますから。ですので、まずは今まで使ったことのない代わりの頭痛薬を用意します。ただし、その頭痛薬も乱用の原因になる可能性があるため、頭痛を軽減するための予防薬や処置も必要になります。

小高 はい。

山口 MOHのきっかけとなる頭痛で多いのは、「片頭痛」と「緊張型頭痛」です。緊張型頭痛は、姿勢が悪く前かがみであったり、運動不足などが影響しやすいので、姿勢を正したり、ストレッチを定期的に行ったり、継続的な運動を行っていただきストレスを軽減するなど、生活習慣の改善から始めていただきます。

つボイ そこからか。

小高 緊張型頭痛はきゅーっと締め付けられるような頭痛でしたね。

山口 そうですね。緊張型頭痛は片頭痛ほど激しい痛みにはなりませんので、しっかり指導すれば薬に頼らずに済む方も多いです。

つボイ はい。

山口 痛みが強い場合には、鍼灸をおすすめすることもあります。鍼灸によって頭痛薬の使用を減らせる場合もあります。

小高 鍼灸は頭に針刺すんですか?

山口 そうですね。これはやはり特殊な技術が必要ですので、どこの鍼灸院でできるかということを確認しておいた方がよいかもしれません。

小高 つボイさんは鍼灸の資格があるんです。

山口 そうなんですか!

つボイ はい。

山口 それではつボイ先生よろしくお願いします。

つボイ いやいやいや(笑)

小高 どっかツボってあるんですか?

つボイ 色々ありますけども、正経十二経脈奇経八脈というところの中にツボが360以上あると、こういうことになっております。

小高 先生の前でめっちゃ緊張しながら言っていただきましたけれどもね。(笑)

つボイ ほんとですよ!

小高 でも先生、やっぱり一旦MOHになってしまうと、そこから抜け出すのって難しそうですね。

山口 特に片頭痛が原因のMOHから抜け出すのは非常に困難です。しかし、近年では効果的な予防薬が登場しており、これらを活用して頭痛を軽減できれば、MOHから脱却できる可能性もあります。ただし、こうした予防的治療についてはすべての先生が十分に理解しているわけではありませんので、MOHでお悩みの方は、一度専門の頭痛外来に相談されることをおすすめします。

小高 なるほど、お薬に頼りすぎちゃだめだよというとこをよく覚えておいて、欲しくなる気持ちを抑えなきゃいけないですね。

つボイ 総合的に生活の改善というところからやるんだということも必要なことですよね。

山口 おっしゃる通りです。

小高 頭痛が根本から治るか、薬がいらない程度に和らぐと随分日常も違ってくるでしょうね。

つボイ うん。緊張型頭痛には日々のストレッチも重要ですし、片頭痛の場合は予防薬も出てきているそうなんでありますので、こういったものを期待したいですね。

小高 はい。来週も山口先生に頭痛についてうかがいます。

さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

つボイ はい、質問お待ちいたしております!

小高 「健康のつボ!~頭痛について~」でした。

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