第8回 ロボット支援手術~消化器外科③(肝臓)
小高 水曜日のこの時間は「健康のつボ!~ロボット支援手術について」、一宮西病院 外科副部長で消化器低侵襲手術センター副センター長の岡田 和幸先生に教えていただきます。
つボイ 術野が3Dで鮮明、それから繊細に動く鉗子、体内奥深くでの手術では手ぶれ防止機能が非常に役立つ、という低侵襲な手術を行うことができるロボット支援手術ですね。
小高 先週まで胃や腸、直腸などの消化管系のロボット支援手術についてうかがってきましたが、今日はその消化器の中の肝臓についてのお話です。岡田先生です。
つボイ 術野が3Dで鮮明、それから繊細に動く鉗子、体内奥深くでの手術では手ぶれ防止機能が非常に役立つ、という低侵襲な手術を行うことができるロボット支援手術ですね。
小高 先週まで胃や腸、直腸などの消化管系のロボット支援手術についてうかがってきましたが、今日はその消化器の中の肝臓についてのお話です。岡田先生です。
つボイ ちょっと今までとは違いますよね。
岡田 そうですね、今までは食事が通る管のところでしたが、今回は臓器の肝臓です。
つボイ 詰まっている。
小高 レバーですよね。
岡田 ああいう見た目ですね。そこにできる腫瘍は、大きく二種類あります。一つ目は原発性の肝がん、これは肝炎とか、脂肪肝とか肝硬変などの下地があって、そこからできてくることが多いものです。そういう肝臓からできたがんのことを原発性の肝がんといいます。もう一つは肝臓からじゃなくて、別のところから飛んできた転移性の肝がんです。これは大腸がんからが多いです。
つボイ そっちから飛んでくるんですね。
岡田 こういったものが対象になります。そもそも肝臓というのは、先程レバーって言われましたけど、血の塊みたいな臓器で、ほんとうに出血しやすい臓器です。なので、切る時も丁寧に止血しながらやっていかないといけません。
つボイ 出血しやすいということは、いろんな血管とかいろんな組織があるということですか?
岡田 血管が入り組んでいて、切るのが難しい臓器ですね。今は技術が進歩してきましたけど、昔はかなり難しかった臓器です。
小高 そうすると、開腹手術だと切りながら、止血しながらっていうことができるのはなんとなくわかるんですけど、腹腔鏡だとこれ結構大変そうですね。
岡田 開腹手術の時のような止血方法はちょっと難しいんですけど、腹腔鏡とかロボットで行うメリットとして、お腹をガスで膨らましているので、そのガスでちょっと圧がかかるんです。その圧力のおかげで、結構出血がコントロールされるというメリットがあります。
小高 なるほど!
岡田 主に静脈ですね。動脈は結構圧力が高いのでいいんですけど、肝臓を切るときに問題になってくるのは、静脈からの出血なんです。その静脈の出血が開腹手術に比べると、そのガスのおかげでコントロールしやすくなります。
つボイ ガスで抑えつけているから、出血が少ないということですね。
小高 もともとそのガスでお腹を膨らませるっていうのは、腹腔鏡の時とかロボット支援手術の機械が動かしやすいようにするためってことですかね?
岡田 そうですね。スペースを作るためです。お腹がペチャンコだと見えないので、見えやすくするためにお腹をガスで膨らませる、二酸化炭素で膨らませるというのは共通しています。
小高 膨らませるためのガスなんだけれども、出血しやすい肝臓の場合は、その出血を抑えるメリットもあるということなんですね。
岡田 さらにロボット手術でいくと、固定したカメラになりますし、手ブレも補正されてほとんどなくなるので、腹腔鏡の手術と比べてより細かい操作ができます。肝臓の中の細かい血管とか、胆汁が通る胆管もしっかりと見えることで、一つ一つ丁寧に処理できます。クリップや焼いたりという処理ができますので出血量が少なくなります。術後に胆管から胆汁が漏れるという合併症も少なくなる傾向にあると思います。
小高 今までの管型の器官ではなくて臓器なので、切らなきゃいけない部分っていうのが、前から見て取りやすいところと取りにくいところがあると思うんですけど。
岡田 手前側にあるものは扱いやすいんですけど、奥側にあるものとか、背中側にあるものとかは結構扱いにくいですね。腹腔鏡の時はそういうことが結構あるんですけど、ロボット手術だと奥の方にあるものでも関節がありますので、曲がることでアプローチしやすくなるかなと思います。
岡田 そうですね、今までは食事が通る管のところでしたが、今回は臓器の肝臓です。
つボイ 詰まっている。
小高 レバーですよね。
岡田 ああいう見た目ですね。そこにできる腫瘍は、大きく二種類あります。一つ目は原発性の肝がん、これは肝炎とか、脂肪肝とか肝硬変などの下地があって、そこからできてくることが多いものです。そういう肝臓からできたがんのことを原発性の肝がんといいます。もう一つは肝臓からじゃなくて、別のところから飛んできた転移性の肝がんです。これは大腸がんからが多いです。
つボイ そっちから飛んでくるんですね。
岡田 こういったものが対象になります。そもそも肝臓というのは、先程レバーって言われましたけど、血の塊みたいな臓器で、ほんとうに出血しやすい臓器です。なので、切る時も丁寧に止血しながらやっていかないといけません。
つボイ 出血しやすいということは、いろんな血管とかいろんな組織があるということですか?
岡田 血管が入り組んでいて、切るのが難しい臓器ですね。今は技術が進歩してきましたけど、昔はかなり難しかった臓器です。
小高 そうすると、開腹手術だと切りながら、止血しながらっていうことができるのはなんとなくわかるんですけど、腹腔鏡だとこれ結構大変そうですね。
岡田 開腹手術の時のような止血方法はちょっと難しいんですけど、腹腔鏡とかロボットで行うメリットとして、お腹をガスで膨らましているので、そのガスでちょっと圧がかかるんです。その圧力のおかげで、結構出血がコントロールされるというメリットがあります。
小高 なるほど!
岡田 主に静脈ですね。動脈は結構圧力が高いのでいいんですけど、肝臓を切るときに問題になってくるのは、静脈からの出血なんです。その静脈の出血が開腹手術に比べると、そのガスのおかげでコントロールしやすくなります。
つボイ ガスで抑えつけているから、出血が少ないということですね。
小高 もともとそのガスでお腹を膨らませるっていうのは、腹腔鏡の時とかロボット支援手術の機械が動かしやすいようにするためってことですかね?
岡田 そうですね。スペースを作るためです。お腹がペチャンコだと見えないので、見えやすくするためにお腹をガスで膨らませる、二酸化炭素で膨らませるというのは共通しています。
小高 膨らませるためのガスなんだけれども、出血しやすい肝臓の場合は、その出血を抑えるメリットもあるということなんですね。
岡田 さらにロボット手術でいくと、固定したカメラになりますし、手ブレも補正されてほとんどなくなるので、腹腔鏡の手術と比べてより細かい操作ができます。肝臓の中の細かい血管とか、胆汁が通る胆管もしっかりと見えることで、一つ一つ丁寧に処理できます。クリップや焼いたりという処理ができますので出血量が少なくなります。術後に胆管から胆汁が漏れるという合併症も少なくなる傾向にあると思います。
小高 今までの管型の器官ではなくて臓器なので、切らなきゃいけない部分っていうのが、前から見て取りやすいところと取りにくいところがあると思うんですけど。
岡田 手前側にあるものは扱いやすいんですけど、奥側にあるものとか、背中側にあるものとかは結構扱いにくいですね。腹腔鏡の時はそういうことが結構あるんですけど、ロボット手術だと奥の方にあるものでも関節がありますので、曲がることでアプローチしやすくなるかなと思います。
つボイ ロボット支援手術、狭い場所での操作にも力を発揮いたしますね。大量の出血を伴うような極めて精密な手術を求められる場所でも有効性が高いと、こういうことらしいですね。
小高 メリットを聞くと、やっぱりすごいなと思いますよね。さあ、来週も岡田先生にロボット支援手術についてうかがいます。
そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~ロボット支援手術~」でした。
小高 メリットを聞くと、やっぱりすごいなと思いますよね。さあ、来週も岡田先生にロボット支援手術についてうかがいます。
そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~ロボット支援手術~」でした。