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第9回 脳卒中は時間との闘い


小高 水曜日のこのコーナーは「健康のつボ~脳卒中について~」。がん・心臓病と並んで日本人の死因の上位に挙げられる脳卒中について、専門の先生にお話を伺っています。ゲストは一宮西病院 脳神経外科医長の伊藤圭佑先生です。よろしくお願いします。

伊藤 よろしくお願いします。

小高 このコーナーでは脳の病気ついて色々とお勉強させていただいておりますが、代表的なのが“脳卒中”。さらに脳卒中の中にも何種類かありました。脳梗塞くも膜下出血脳出血でしたね。

つボイ よく覚えましたね!

小高 このあたりについて教えていただきました。

つボイ 発症したら症状も治療法も違いますけれども、いずれにしましても治療は“時間との戦い”ということではありますよね?

伊藤 そうですね。もちろんどれも早く治療するということが大事なんですけれど、中でもやっぱり脳梗塞が一番“時間との戦い”ですね。出血の場合は大抵自然に止まっちゃっていることがほとんどなのでそんなに急ぐことないんですけれど、脳梗塞は逆に現在進行形で血管が詰まって脳の壊死がどんどん広がっている状態なので、一刻も早い治療が必要です。

小高 この間伺った話では、1~2分でどんどん悪くなるそうですね。

伊藤 一部のデータでは3分で1%予後が良くなる人の割合が減るといわれています。だから30分で10%ぐらいどんどん減っていくってことですね。

小高 30分なんて「痛い痛い!」言っていたらあっと言う間だけど、それがすごく大事なんですね。

つボイ 先生たちも大変ですよね。

伊藤 そうですね。なので僕ら医師だけじゃなくて、チームで“時間短縮”というのを目指していかないといけないので、脳卒中脳梗塞の患者さんを受け入れるチームを作って、看護師や他の医師さんらみんなで時間短縮に取り組んでいます。

小高 内科の先生、外科の先生、看護師さん…、色々な科をまたいでのチームがあるんですね。

つボイ 薬で治療したり手術をしたりするんですね。

小高 この間、治療法として血栓回収療法というものを伺いましたが、あらためてどういう治療法なのか教えてください。

伊藤 はい。脳梗塞は血栓(血の塊)が血管の途中に詰まっちゃってその先に血液が流れないので、その血栓をカテーテルを使って取り除く方法です。多くの場合はステントという金属の筒状の網に、血の塊を絡めても引っこ抜きます。

つボイ この血栓回収療法というので僕たちは命を助けてもらえるわけですけれども、これは発症からどのくらいの時間ならおこなえるんですか?

伊藤 一応ガイドライン上は、適応は発症から8時間以内という場合には積極的にするようにとなっています。ただ厳密に8時間を過ぎたらできないというわけではなくて、まだ可能性があればやると場合もあります。

つボイ そうですか、ありがたいですね。8時間の猶予というのも、昔はなかったんでしょうね。

小高 ただ血栓回収療法も8時間以内と言いながらも、早ければ早いほど有効に治療ができるということですよね。

伊藤 そうですね。

小高 やっぱり病院の近くに住まなあかんね。

つボイ 本当やわ。いや、近くだけではいかん。どういう先生がどんな技術を持っていらっしゃるかというところの病院やないとあかんと思いますよ。

小高 先生、いきなり私が隣に越してきてもビックリしないでください。

伊藤 (笑)。

小高 いやいや、そうじゃなくて! 日頃の健康に努めて、病気にならないようにしましょうというのが大事でございますから。ありがとうございました。先生にはまた来週お話を伺います。よろしくお願いします。

伊藤 よろしくお願いします。

小高 一宮西病院の伊藤圭佑先生でした。


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