グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


【運動】編


「+10(プラステン)」から始め毎日継続!その努力が健康寿命に関わってきます。

【監修】一宮西病院 リハビリテーション科 理学療法士

続ければ必ず能力は上がる

「いつまでも元気に暮らす」とは、自分の身の回りのことを自分でできる能力を維持している身体であるということでもあります。加齢に伴って低下していく身体の能力を維持するために、運動は不可欠です。ここでいう運動とは、積極的にスポーツをするということではなく、生活活動を含め身体を動かすことすべてを指します。運動をしないでいると筋肉量が減っていき、生活習慣病や動脈硬化、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)などになりやすくなります。

運動を始める時期が早いほど身体能力の高い状態を維持しやすいといえますが、幾つで始めても大丈夫。何より大事なのは、継続することです。全く運動をしないと身体能力はそれなりに落ちていきますが、わずか5分でも毎日運動を続けると、年齢に関係なく能力は上がっていきます。厚生労働省より発表されている『アクティブガイド』によると、今より10分多く身体を動かす「+10(プラステン)」を実践するだけで健康寿命は延ばせるそうです。気をつけたいのが、運動の負荷です。負荷を間違えると腰や膝などの関節のケガをしやすく、過度の運動は逆に身体機能を傷める可能性があります。運動負荷の目安は、有酸素運動の場合、安静時の心拍数が20〜30上がる程度。感覚的には、話しながらできるくらいの運動です。

「1日60分歩く」程度が目安

健康のための運動は、どれくらいすればいいのでしょうか。健康な65歳くらいまでの成人が目標としたい身体活動量は「3メッツ以上の身体活動を毎日60分」といわれています。「メッツ」とは身体活動の強さを表す単位で、安静時は1メッツ、歩行程度の運動は3メッツとされています。また身体活動とは、家事や通勤等の生活活動も含めた暮らしの中の運動すべてを指します。健康のための目安となる運動量は、「毎日60分歩く」程度となります。この60分は連続している必要はなく、徒歩や自転車で通勤しているなら60分からその時間を差し引きます。ちなみに、掃除や早歩きなども3メッツ以上の身体活動になります。運動は足りているのか、不足しているのか、ご自身の活動量を確認してみてください。不足しているなら、現状の身体活動量を少しずつでも増やしていきましょう。

筋力が衰えやすいのは腕より脚で、脚を鍛えることは大切です。全身の筋肉の中で最も大きい大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)は動かさないと落ちやすいので、スクワットや階段登りなどで鍛えるといいでしょう。因みに、スクワットは椅子を補助具にして、反動をつけずゆっくり座ったり立ったりを繰り返しても効果があります。また、握力は全身の筋力に比例するといわれ、「ペットボトルのふたが開けづらくなった」とか「買い物袋の重さが前より気になるようになった」などと感じていたら筋力全体が低下してきたサインかもしれません。ゴムボールや丸めたタオルを、グーっと握る運動を続けてみてください。スクワットもボール握りも、筋力アップを狙う運動は、呼吸をしながらゆっくり行うのがコツです。医療の発達により寿命は確かに延びましたが、健康寿命を延ばすのは運動を続ける自分の努力次第。いつまでも元気に自分のやりたいことを楽しむために、無理なく運動を続けましょう。

【年代別】運動のポイント

30代~50代

仕事や家事、育児といった生活習慣の中に運動を取り入れます。また、将来に向けて、興味を持っていた運動やスポーツを始めるのもいいでしょう。
  • エレベーターをやめて階段を使う
  • 車の代わりに自転車を使う
  • ちょっとした距離は歩く
  • テレビを見ながらなど「ながら運動」をする等

60代

仕事を離れるなど生活習慣が変わるので、食生活の見直しとあわせて、必要な運動量を再確認したい時期。定年を迎えた方が現役時代と同じ食生活を続けているのは、明らかなカロリーオーバー&運動不足状態。仕事の代わりになる何かを見つけ、運動に伴うリスクに心配がない方は積極的に運動しましょう。



70代以上

いつもの生活の中で歩く時間を少し増やすなど、無理のない範囲で運動を継続しましょう。椅子に座ったまま足踏みやバンザイをする軽い運動でも、毎日続けることが肝心です。ただし、関節の痛みなどがあるときは運動を控えます。また、持病がある方は必ずかかりつけ医に相談してから運動を始めましょう。