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病院長インタビュー


「一宮西病院」開設のきっかけは?

 「『街と人が明るく健康でいられますように』、という杏嶺会理念に基づき、地域医療に貢献したい」という思いから、平成13年に一宮市奥町に「一宮西病院」を開設しました。元をたどれば、昭和23年に先代の上林弘之が上林医院を開院したのが始まりです。その後、奥町病院、上林記念病院となり精神科医療および一般診療に取り組み、「杏嶺会(きょうりょうかい)」として特定医療法人、さらにはより公共性の高い現在の「社会医療法人」の認可を受けました。また、一宮市から市民病院の民間移譲公募があり、地域医療の継続のため公募に参加して移譲を受けました。それが、平成20年開設の「いまいせ心療センター」と平成21年開設の「尾西記念病院」で、合わせて4つの病院グループとして運営することになりました。
 平成21年11月に、「一宮西病院」を一宮市開明地区に新築移転しました。より断らない医療を実現するために、令和5年7月には同敷地内に新館B棟を増築しました。地域のすべてのみなさまに開かれた病院、頼られる病院を目指して、今後も継続して地域医療に貢献していきたいと考えております。

「杏嶺会」の由来とは?

 「杏嶺」という名称は、中国の故事から取りました。古代中国の神仙董奉(しんせんとうほう)が、医療を提供するとき、患者さまに「杏を持ってくれば、お金はいいですよ」と言ったといいます。診療代金のかわりに植えた杏が、林になり、森になり、そして嶺になったという話です(「神仙伝」)。
 私はこの故事にちなんで「杏嶺」の名を拝受し、われわれの病院グループをこのように成長させたいと願っています。

今日に至るまでに、迷いはありませんでしたか?

 現在の「一宮西病院」に発展する前の、旧病院時代にも、私は十分に生きていけたと思います。なぜなら経営的に安定していたからです。しかし、「それでいいのか? 自分はどう生きていったらよいのか?」と自問自答しました。その時、「病院をもっと大きくして地域のみなさまにもっと喜んでもらいたい、そうしなければ自分の生き甲斐はない、自分が納得できる人生は生きられない」…そう考えたのです。この強い思いにより今日の「一宮西病院」へ、新しい地平を切り拓く大きな転機となりました。自分が直接には命を救う仕事はできなくとも、われわれスタッフが命を救う仕事をすること─すなわち急性期医療をおこなう病院の経営者となること─が、はっきりと見えてきたのです。
 「どう生きたらいいのか?」という迷いと模索の中で、ようやく自分の使命を発見することができました。進むべき道が見つかると、迷わず全力でそこに向かって突き進んでいきました。

病院長の役割とは、どのようなものですか?

 病院は社会的に必要とされているからこそ存在していると思います。私の役割は、患者さまが明るく健康でいられますように、「杏嶺会」グループの全病院の全スタッフが全力投入できる環境づくりをすることだと考えております。
 また、地域のみなさまに対して、わざわざ遠くまで行かなくても、この地域でしっかりとした医療、安心して体と心を任せられる病院にすることです。そのためにはまず、質の高い医療を提供できなければなりません。ただ規模を大きくしただけでは地域のみなさまに信頼してもらえません。「一宮西病院」を中心とした「杏嶺会」の病院は安心できる、しっかりした医療が受けられる─そう認識していただけるようにすることが、私の願いであり、医師であり経営者である私の使命だと確信しています。

普段はどのように過ごしているのですか?

 毎朝起きるのは6時です。30代で病院を引き継いだ時は朝5時には起きて、夜中の12時まで病院で働きました。その習慣が今でも残っているのでしょうね。朝食は6時45分までに済ませます。献立はパンとコーヒー、卵焼き、それにサラダといたってシンプルです。これをとってすぐに病院へ行きます。簡単な散歩をするとかウォーキングに汗を流すとかいった習慣はありませんが、健康には注意を払っています。

医師とは、どのようなものだと思いますか?

 私は医師というのは医療者であるとともに、患者さまとともに病気に取り組むパートナー、良いコーチであってほしいと思っています。医師は深い知識と高い技術を持っていなければなりません。でもいくら腕が良くても患者さまとの信頼関係が出来なければ治療をすすめることは出来ません。そのためには、まず患者さまの訴えをよく聞くことが大事です。そして「それは大変でしたね、つらかったですね」と共感することで患者さまとの距離は縮まります。患者さまから質問を受けたら、相手が何を一番に聞きたいのか、何を心配しているのかをくみ取って、わかりやすく丁寧に説明することです。
 これからの医師はコミュニケーションの達人になることが求められているのではないでしょうか。そのような医師がいることで、患者さまは一層の安心感を持ち、ひいては病院へ全幅の信頼をいただけるのだと思っています。

将来に向けた抱負は何ですか?

 現在、病床数は801床となり、病院を大きくする「量」を達成しました。今後はさらに「質」を高めることに力を注ぎ、手術や検査で他の医療機関にひけをとらない、むしろ技術なら「一宮西病院」ということが常識となるよう邁進していきます。
 また「杏嶺会」の理念に常に立ち返り、そこから患者さまにとって「何が必要か、われわれには何ができるのか、何をしたらよいのか」を考え、地域のみなさまに今よりもさらに信頼され、頼りにされる医療施設に発展していくように「ベクトル合わせ」をしていくこと…これからの私の大きな仕事のひとつは、ここにあるのだ、と思っています。
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