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第10回 レミッションとは?


小高 水曜日のこの時間は「健康のつボ!~腎臓病について〜」。一宮西病院 腎臓内科 第二部長 / 腎&シャント・レミッションセンター長 福田道雄先生にお話を伺っております。先週まで透析のお話を中心に伺ってきました。

つボイ 透析というのは腎臓の機能を元に戻すのではなく、腎臓の働きを人工的に置き換える代替というそういうことなんですよね。

小高 はい。したがって、血液透析では1週間に3日、1回4〜5時間かけて行うっていうのが大体のスパンですかね、そんな必要があるんですね。

つボイ 透析にならないためには、腎臓の機能が落ちていかないように自分の腎臓の今を知ることが必要であるということですね。

小高 ところでお話を伺っている福田先生、ご紹介するときに私、一宮西病院 腎臓内科 第2部長、そして「腎&シャント・レミッションセンター長」というふうにご紹介しておりますよね。この「シャント」というのは何かというのは先日お勉強いたしました。じゃあ、その後についてくるこの「レミッションセンター」、「レミッション」って一体どういう意味なんでしょうか?福田先生です。

福田 (「レミッション」とは)医療現場では、病気が完全に治るということを意味します。

小高 ただ、腎臓というのはやっぱり一度機能が落ちていくとなかなか完全に治癒っていうことが難しいというふうにお聞きしていますが、そんな中で「レミッション」というのは、腎臓の場合は具体的に…

福田 例えば、糖尿病というのは膵臓が悪くてなりますよね。膵臓移植をすると糖尿病ではなくなるわけです。ある研究で、膵臓移植をして5年後に腎生検を見たら、やっぱり「もうこうなったら治らないよ」という所見は治っていなかったんです。ところが、10年後に腎生検すると、今まではもう治らないと言われたポイントのノリと言われているんですけど、所見が消えることがわかって。それも「腎臓病は今まで治らないと言われていたけど治るんじゃないか」っていう風潮が起きてきているわけです。

小高 そうすると、治り得るという可能性というのは?

福田 すべての方が、治ると言うと言い過ぎなんですけれども、例えば、腎臓の負担をとろうと思ってかえって腎臓悪くしちゃっているようなお薬を飲んでいる場合は、それをやめると戻りますし。

小高 うん。

福田 そうするとこれは「治った」ということになりますし。「IgA腎症」という腎炎でも治らないって言われていたんですけど、扁桃腺をとってステロイドの点滴をしてってすると、もう病気じゃなくなるということもわかっていて。

つボイ はい。

福田 そこがちょっと難しいのは、血尿が軽い、蛋白尿が軽い人こそ治るわけです。ところが、そういう人は透析にならないから、何も治療しなくていいんじゃないかなっていう考えもあって。「副作用が出たらどうするんだ」って、好きじゃないと思っていると思うんですね。

小高 うん、うん。

福田 ただ、患者さんにしてみたら、治っていなくて年に1回、2回病院に「私、病気なんだ」って思いながら生きていて病院に行くのと、「もう病気は治って、もう一度ぶり返していないか確認に行くんだ。私は病気じゃないんだ」と思っているのは、やっぱり全然違って、「治してもらってよかった」って皆さんに言われます。

つボイ ああ、そうか。同じ病院に通うのも全然内容が違いますよね。

福田 クレアチニンが例えば2.5の人が2.7になったら「そう変わらないね」ってなってしまいがちだと思うんですけど、「いやいや、次は2.3にしましょう」と。「2.1にしましょう」「1.9にしましょう」っていう、もうあらゆる「何かできないか、何かできないか」ってことを毎回やって、とにかく正常な方向に持っていきたい。

小高 やっぱり今のその腎臓医療というのは、どちらかというとそういう考えのもとに機能をちょっとでも戻すということを目指してやっていく方向に動いているというふうに考えた方がいいんですか?

福田 はい。それから今でも腎臓学会の方では新しい本当に治す薬の研究とかも盛んにされていますので、これからどんどんそういう薬もきっと出てくると思うんです。本当に出てきそうなんですよ。

つボイ はい。

福田 はい。一方では基本的なところでなんとか食い止めたり良くしようという、そこにまた新しい新風がきっとそのうち吹きそうだなと思うんですけど。だから患者さんの方はもう期待していただければいいと思います。

つボイ 腎臓って「もう悪くなったから段々段々絶望的になる」ようなイメージの中で、「レミッション」という言葉は縋りたいですよね。この言葉。

福田 よく腎臓が少しずつ良くなっているのに、「先生、治らないんですよね」って言われて、「いや、あなた治っているんじゃないの」っていう会話はよくします。

つボイ うん、うん、うん。

小高 よく医学の進歩とか薬の開発とかって、患者さんが多ければ多いほど研究も飛躍的に進んで、早いというふうに聞くことがあるんですけど、そういったところでいくと、腎臓というのはやっぱり患者さんとても多いので、薬とか、そのいい医療技術っていうんですかね、やっぱり進歩って早いですか?

福田 いやぁ……例えば透析でも機械に繋がれずにちょっとこうベルトか何か巻けば普通に暮らせてできるようになればいいなっていう研究ももう何十年も前からされているけど、出来ませんしね。

つボイ あ、そうですか。

福田 なんかiPSとかで腎臓になるような入れ物を作っておいたら腎臓ができるんだって発表ももう10何年も前にされたけど出来ていませんので。

福田 数年前には豚の腎臓を人に植えたらどうだってニュースがありましたけど、それもそっから発展的にまだ現場には来ていませんので、やっぱり患者の方々にしたら「まだか、まだか」っていうのが現状だと思います。

つボイ でもなんか今のお話「もうちょい」「もうワンステップ」行くとなんか行けそうな気がしますね。

福田 そうですね。そのAIもなんかこう無機質なものだと思ったら、今お悩み相談で毎日喋っていてすごいまるで人間みたいになってますから、携帯電話だって昔「自動車電話」って言ってたのがもうコンピューター代わりのようなのをポケットにいれてますから、爆発的にポンポンッと進むんでしょうね、いろいろ。

つボイ 「レミッション」、病気が治ること。まあ腎臓に関しても今は出来なくても、薬も治療法もどんどんこれから出てくるといいですよね。

小高 はい。引き続き来週も福田先生に腎臓について伺います。

そしてこのコーナー「健康のつボ!」では色々な病気について専門家の先生に解説していただいております。皆さんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生をお呼びして教えていただきます。

つボイ 質問お待ちいたしております。

小高 「健康のつボ!~腎臓病について~」でした。

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