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第13回 不整脈 心房細動


(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがっています。一宮西病院 ハートセンターセンター長 心臓血管外科部長 弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる)先生です。

(小高)このシリーズ今日が最終回ということなんですね。

(つボイ)心臓病いろいろ教えて頂いて、いろんな病気がありますが、特に心臓弁膜症は年齢とともに症状が現れるということで、超高齢社会である現在は患者数も増えてきており、私も該当者ということでございます。

(小高)最終回の今日は、「不整脈」、「心房細動と弁膜症の関係」についてうかがっていきます。澤﨑先生です。



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(澤﨑)「心房細動」には心房細動単独で起こるものと、主に「僧房弁膜症に合併して起こるもの」があります。心房細動で一番困るのは、左心房の中の左心耳(さしんじ)という部屋があるんですが、耳のようにへこんでいるためそこに血栓が溜まりやすいんです。

(つボイ)ほぉ~。へこんでるから。

(澤﨑)溜まっててもいんだけども、血栓が飛ぶと困るんですが、どこへ飛ぶと困りますか?

(つボイ)脳?

(澤﨑)そうです。脳梗塞になります。心臓原性の脳梗塞は血栓のサイズが大きいので詰まった範囲が大きくなります。

(つボイ)なるほど。

(澤﨑)だから重症になりますし、下手すれば命取りになります。

(つボイ)先生これはレントゲンで見えるんですか?

(澤﨑)わかりません。逆にもう一つ簡単な検査があるんですが、なんだと思います?

(小高)心電図!

(澤﨑)ピンポン(笑)

(小高)心房細動っていうのは心臓に異常な電気が走って、震えるような状態ってことなんですよね?だから、心電図に出るんですよね。

(澤﨑)えらい!(笑)弁膜症に関係のない孤立性の心房細動の場合はまずお薬で治療します。でもだんだん効かなくなるんです。すると、これも10~15年くらい前から心房細動の悪い電気の出どころがだんだんわかってきたんです。「肺静脈」なんです。肺から左心房に静脈が入るんですが、その場所に原因があるんです。肺静脈を治療すると心臓は元の調律を取り戻す。そして、最近出てきたのが、左の肋骨の間を少し切って、肺静脈を心臓から隔離してしまう、というやり方です。左心耳というものを電気や高周波で焼いて道具で挟んで切っちゃうんです。

(小高)さっきの耳みたいなとこ。

(澤﨑)そうです。左心耳をとると血栓が溜まらなくなるんです。心房細動であってもの心配がなくなります。血栓脳梗塞

(つボイ)すごい。

(澤﨑)それに対しまして、弁膜症に伴う心房細動、これにはコックスという先生のメイズ手術(※メイズ=日本語で迷路。)です。心房を迷路のように切るんです。みんなが思い思いに切っちゃ困るんですけど。これはですからコックス先生の方法で切ると、心房細動は7~8割治るんです。弁膜症を元とした心房細動だから普通の心房細動より治りにくい。でも治るんです!

(つボイ)ほぉ~!

(小高)でも迷路のように・・・ってことは、難しいんじゃないですか?

(澤﨑)難しいです。ですので色んな方法が考え出されて、凍結凝固法で心筋を切らずに心臓の筋肉を壊死させるんです。

(小高)凍傷ですか?

(澤﨑)そうです。マイナス80度で凍らせてカチンカチンになります。他にも、高周波を使う方法もあります。安全性を重んじて、手術を簡略化して進めてます。最後に付け足しですが僧房弁膜症は、心房細動でなくても、左心耳を内側から縫います。そうしますと、万が一手術の5年後に心房細動になったとしても、脳梗塞のリスクはないということです。

(つボイ)予防的処置・・・

(澤﨑)そうですね。ものの3分くらいで処置できちゃいます。今、医療はどんどん進歩してるんです。



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(つボイ)心臓の病気と聞きますとね、どうしても怖いなあという気持ちが先に立ってしまいますけれども。今は治療法も技術も進化していると!なのでまずは早期発見、そして「」を聞いて、納得して治療に進むということが大事なんですね。セカンドオピニオン

(小高)はい、心臓の病気にまつわるこのシリーズ、澤﨑先生にお話しをうかがいました。ありがとうございました。そしてこの『健康のつボ』では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。皆さんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)質問お待ちしております!

(小高)『健康のつボ~心臓病について~』でした。


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