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伏見宣俊医師インタビュー


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専門性とチーム医療で“信頼される医療”を
進化し続ける糖尿病治療の現場では、医師としての専門性はもちろん、チーム全体の力が問われています。多職種と連携しながら、患者一人ひとりに最適な医療を届けるには何が必要か。

今回ご紹介するのは、内分泌・糖尿病内科を担いながら、教育・研究・チーム強化にも力を注ぐ伏見宣俊先生。個人としてのスキルアップを追求しつつ、病院全体の連携構築に貢献する伏見先生に日々の診療におけるこだわりから、臨床研究やチーム医療への展望、そして「理想の病院像」まで、幅広くお話を伺いました。
※掲載されている情報は2017年11月時点のものです。

プロフェッショナル論~働く上でのこだわり~

私は主に内分泌・糖尿病診療と総合内科診療をおこなっております。大別して2つのことを意識しながら日々仕事をしています。

1つ目は医師個人としてのスキルアップです。具体的には、臨床医として最新の診断・治療に関する知識獲得であり、そのための文献検索や学会活動を積極的におこなうことは必須と考えています。また、患者さん個々に合った医療(テーラーメイド医療)を提供するための患者さんとのコミュニケーション能力の向上も個人スキルに含まれると思っています。

2つ目はチームの中で果たすべき役割を意識することです。様々な場面があると思いますが、例えば診療科内では副部長(※2025年現在は部長)の立場として若手医師教育や部長のサポート役などがあげられますし、糖尿病チーム医療としてはチームを牽引する立場としての役割、病院全体としてはより良い病院にするために他科や他部署との円滑な院内連携構築や地域連携への貢献などです。

そして、最終的にはこれらの自分の行為が患者さんにとって有益であるかどうか省みることを怠らないようにすることが大事だと思っています。

明日への挑戦~自らに課している要求~

個人としては有益な治療方法の探索、いわゆる臨床研究のことです。臨床研究をおこなうメリットとしては、患者さんにとって有益な発見ができる可能性があること、探究心が養成されることがあげられます。特に探究心の養成は高い洞察力につながり、通常診療にも役立つものと考えており、若手医師にも推奨していきたいと考えております。

チーム(診療科)としては、糖尿病診療の更なる整備です。糖尿病領域では次々と新規薬剤が発売され、より専門性が高まっています。一方で、糖尿病患者数は今後も増加が予想され、高齢化社会を背景により個々に合った治療提供が求められるなど、ニーズの高まりを感じております。これらのことを実現していく上でチーム力の向上が不可欠と考えております。特に糖尿病治療のうち約半分は自己管理(療養)が占めるため、療養指導に携わるコメディカル(看護師、栄養士、理学療法士など)の協力が必須です。このようにコメディカルが主役となって治療に関わることができるのが糖尿病診療であり、その魅力を伝えながら療養指導に携わるコメディカルを養成し、チーム力向上に努めたいと思っています。

理想の病院~こういう病院にしたい~

私はサッカーが好きです。個人的な見解ですが、地域の中核病院は地域にあるサッカークラブのようなものだと思っています。サッカーが盛んなヨーロッパでは古くから地域に根ざしたサッカークラブがあり、人々から愛されています。そして各サッカークラブには必ずフィロソフィ(哲学)があり、すべてはこのフィロソフィに従ってチーム作りがおこなわれており、古豪と呼ばれるチームにはフィロソフィが根付いています。

当院においては“杏嶺会の理念”や“職員の行動と意識の指針”がフィロソフィにあたると思います。理想の病院とは職員一人一人が理念を意識して行動し、地域から信頼されている病院だと思います。そのためには職員一人一人が病院を形成し、代表していることを意識する必要があります。そして個々のスキルやチーム力を向上させ、職場での信用や地域社会からの信頼を実感できるサイクルが理想と思います。

強いサッカーチームは常に進化を怠らず、挑戦し続けています。理想の病院にはゴールがないと思いますので、この挑戦し続けるマインドを維持しつづけることも大切だと思います。理想に近づけるように、一歩一歩頑張りましょう。

プロフィール

一宮西病院
内分泌・糖尿病内科部長
伏見 宣俊

2000年、近畿大学卒業。岐阜大学医学部附属病院、犬山中央病院を経て、2009年より一宮西病院。

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