山口　片頭痛は、文字通り頭の片側、主にこめかみあたりがズキンズキンと脈打つように痛むことが多い頭痛です。ただし、両側に痛みが出る場合もあります。

つボイ　両側でも片頭痛というんですね。

山口　そうなんです。痛みが強い場合が多く、通常は数時間から3日ほど続くとされていますが、数日間続くこともあります。

小高　ほぉ～。

山口　さらに、痛みの最中に吐き気を伴ったり、光や音、匂いに対して非常に敏感になったりする場合が多いです。体を動かすと悪化することも多いため、暗くて静かな場所でじっとしていたくなるような状態になります。

つボイ　僕は未経験ですけども、聞いてみたら結構これ深刻な症状ですよね。

山口　そうですよね。このような頭痛ですので、やはり日常生活や仕事にも支障が出ることが多いので、しっかりと治療することが必要な病気ではあります。

小高　片頭痛の患者さんというのは、どのくらいいらっしゃるんでしょうか。

山口　日本人の場合ですと、成人の約1割弱が片頭痛持ちだと言われています。男性よりも女性の方が多くて、思春期頃から増え始めて、20代から40代にかけて多くなります。この世代の女性に限って言うと、実に6人に1人が片頭痛持ちとされています。

つボイ　あらま～。多いですね。

小高　6人に1人はやっぱりかなりの数ですよね。20代から40代の女性に多いということになりますと、20代は学業とか、あと仕事なんかも20、30、40代全てに当てはまってきますよね。それからちょうどこの時期、出産っていう大きいことも女性の場合はある方も多いですし、家庭でもやっぱり大変忙しい時期になってきますから、その時期に慢性的に片頭痛というのはかなりしんどいですよね。

山口　まさにその通りです。そうした忙しい時期に頭痛があっても、なかなか病院に行けず、我慢したり市販薬で対処される方が多いのが実情です。軽い痛みならまだ良いのですが、片頭痛の痛みは強い場合が多く、市販薬や通常の鎮痛剤では十分に改善しないことも多く、結果として仕事や家庭生活に支障をきたしながら、痛み止めを飲んで何とかやり過ごしている方が非常に多いです。

小高　やっぱりお薬で乗り切るというか、ごまかすというか、そういう状況がちょっと続くようなら、専門の先生に相談した方がいいですね。

山口　ただ、お忙しい方も多いので、「命に関わるわけではないし、こんなことで病院に行くのは…」と思ってしまう方も少なくありません。しかし、外からはわかりづらいこの頭痛が、実は仕事や人間関係にも悪影響を及ぼすこともあります。片頭痛は特に若い世代、なかでも働き盛りの方に多く、日本全体の活力を損なっているとも言えるかもしれません。

つボイ　国体の危機！

山口　このラジオをきっかけに、一人でも多くの方に片頭痛を正しく理解していただき、適切な治療につながると良いなと思っています。

つボイ　1つだけ質問してよろしいでしょうか。どうして女性に多いんですかね。

山口　女性ホルモンの変動と関連があるとされています。ホルモンの値が変動することで頭痛が起きやすくなると言われてますので生理周期との関係も深いです。そうしたことから、20〜40代の女性に多くなります。

小高　たくさんの人がかかってるし、しかもそんなに命に関わるっていうイメージもないからいいのかなと思いがちですけど、これだけ多くの人がかかってて、仕事に支障をきたして日本のマンパワーが削られてるって考えると、かなりこれ重要な感じがしますよね。

つボイ　片頭痛の本当の辛さは経験した人でないと分からないかもしれませんけどもね。なんとかならんもんかなと思うんですよね。

小高　はい。ということで、片頭痛の治療法、そして予防法などを来週以降、山口先生に教えていただく予定となっております。
さて、「健康のつボ！」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

つボイ　はい、質問お待ちいたしております！

小高　「健康のつボ！～頭痛について～」でした。