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第8回 脳動脈瘤の治療法


小高 今回も「健康のつボ!」は、冬は気になる?「脳卒中について」一宮西病院 脳神経内科 副部長 / 脳卒中センター 副センター長の金井雅裕先生にお話を伺います。脳出血は脳梗塞と違って、自然に出血が止まるのを待つというのが基本だそうです。出血した部位や出血の量によって対応が違ってくるとのことでした。

つボイ はい。そして、くも膜下出血の原因は、脳動脈瘤の破裂。細い血管が壊れる、破れるといった脳出血とは違って命に関わってきますけれども、脳動脈瘤があるかどうかということは、脳ドックで調べることができるということですね。

小高 そして、脳ドックで脳動脈瘤が見つかった場合、破裂しないように治療することができるそうなんですよ。金井先生です。

金井 治療法としては、近年はカテーテル治療が主流になりつつあります。その中でも一番一般的なのが「コイル塞栓術」ですね。これは、カテーテルを動脈瘤の近くまで進めて、動脈瘤の中に細い金属製のコイルを詰めていく治療です。コイルを入れることで、動脈瘤の中に血液が入り込みにくくなります。すると、中の血流が弱くなって、血液が徐々に固まっていき、最終的には動脈瘤の中へ血液が流れ込まなくなる、という仕組みです。

小高 だから先に詰め物しちゃうみたいなイメージですか。

金井 はい、まさにそうですね。あらかじめ中を詰めておくことで、破裂しにくくするという治療になります。

つボイ これいいなと思うんですが、なんか問題点もあるんですかね。

金井 そうですね。コイル1本で全部埋まるということは、ほとんどありません。特に大きな動脈瘤になると、10本、20本と必要になることもあります。そうして何本も入れていく治療になりますので、やはり手技に伴うリスクはありますし、決して簡単な処置ではありません。

小高 細かい作業ですね。これに代わるような新しい方法も開発されているんですか。

金井 そうですね。最近はいろいろ新しい方法が出てきています。その一つが「WEB(ウェブ)」と呼ばれる治療です。これは、球状あるいは円筒状のメッシュ構造をしたデバイス(治療機器)を、動脈瘤の中に留置する方法です。このデバイスを入れることで、動脈瘤の入り口をほぼ塞ぐ形になり、血流が流れ込みにくくなります。仕組みとしては、コイルと同じように中に詰め物をするイメージですが、こちらはデバイスが一体型になっているため、1回の操作で治療が完結します。その分、適応が合えば治療時間を短くできる可能性がありますね。

つボイ 聞いていると、コイルは細いものを何本も入れていくわけですよね。一方でWEBは、ひょいと置くようなイメージなんですか。

金井 そうですね。うまく置ければ、という形ですね。

つボイ 塊になったメッシュ状の器具を、ひょいと置くような感じなんですね。

金井 はい、そういうイメージです。

小高 小さいコイルを何本も詰めていく方法と、1つのデバイスを入れる方法だと、後者のほうが簡単そうにも聞こえますが、1個だからこそ置く位置などの難しさもあるんですか。

金井 ありますね。特に重要なのがサイズ選択です。実際に入れてみて「少し大きいのでやめましょう、ワンサイズ下げましょう」となることもあります。

つボイ 動脈瘤にも大きい小さいがありますから、WEBにもいろいろサイズがあるわけですね。

金井 そうですね。さまざまなサイズが用意されています。ただ、想定したサイズでも、実際に置いてみると少しはみ出してしまうことがあります。そうなると脳梗塞のリスクにもつながるため、その場合はサイズを変更して、ぴったり合うものを選んで留置します。

小高 なるほど。ただ、うまく適合すれば、先ほどのコイルよりかなり短時間で治療できるということですね。

金井 ほかには、「フローダイバーター」と呼ばれる治療もあります。簡単に言うと、非常に網目の細かいステントを使う治療ですね。動脈瘤は、血管の一部が外側に膨らんで“こぶ”になっている状態ですので、その元となる血管があります。その血管の中に、この網目の細かいステントを留置すると、動脈瘤の中へ血液が流れ込みにくくなります。この治療の特徴は、動脈瘤の中にデバイス(治療機器)を入れるのではなく、元の血管側で処置を行う点です。動脈瘤は壁が薄く、非常に破れやすい状態になっています。一方で、元の血管も決して強いわけではありませんが、動脈瘤よりはしっかりしています。そのため、動脈瘤の中を直接操作しない分、より安全に治療できる可能性がある方法ですね。

小高 先ほどの二つは動脈瘤の中に詰め物をして、それ以上血液が入らないようにする治療でしたが、これは入り口を塞ぐイメージなんですね。

つボイ 動脈瘤のほうに血が行かないようにするわけですね。

小高 入り口を塞いでしまう、と。

金井 そうですね。入口を塞ぐことで、元の血管側で治療が完結しますので、動脈瘤の中にカテーテルを入れずに済みます。その分、より安全に行える手技だと考えています。

つボイ なるほど。動脈瘤は、見つけることができれば破裂する前に治療できるということですね。

小高 ということは、やはり検査で早く発見することが大事になってきますね。さあ、次回も金井先生に脳卒中のお話を伺います。

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