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肩の痛みに関する3つの知識


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肩の痛みに関する3つの知識

整形外科部長
梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)
  • 主な資格/日本整形外科学会 専門医、国際緊急援助隊医療チーム 登録医師、日本体育協会認定 スポーツドクター、医学博士
  • 得意分野/整形一般、スポーツ(上肢)、肩・肘関節、外傷

1.肩の痛みについて

肩の痛みは全て四十肩・五十肩なのですか?

肩の痛み

肩の症状で来院される患者さんで多いのは、確かに「四十肩・五十肩」です。発症年齢で四十肩・五十肩等と言われていますが、正式な病名では「凍結肩」といいます。凍結肩は“関節包(関節の袋)”が小さく縮んでいる状態で、基本的に保存的治療をとります。手術に至る事はほとんど無く、リハビリや内服薬、注射療法で改善を図ります。そして、患者さんご本人が凍結肩だと思っていても、意外に多いのが「腱板(けんばん)断裂」です。腱板とは腕の骨と肩甲骨を繋ぐ腱のことで、これが擦り切れた状態が腱板断裂で、手術に至ることが多いです。どちらも“肩が痛い”という症状です。「肩の痛み=凍結肩」と認識されている方が多いと思いますが、画像検査を進めていくと、凍結肩と腱板断裂では明らかな違いが見えてきます。“肩が上がらない”という症状は共通していますが、他動で(誰かの力を借りて)も肩が上がらない場合は凍結肩、他動であれば肩が上がる場合は腱板断裂、という診断に至ることが多いです。

2.凍結肩になってしまったら

凍結肩(四十肩・五十肩)について詳しく教えてください。

凍結肩について

凍結肩はリハビリや内服薬、注射療法で治療を進めます。特に私の場合は、超音波を使って痛みの場所を狙って注射をします。痛みの程度にもよりますが、1回の注射で2~3週間は痛みが緩和されます。先に述べたように、凍結肩は関節包が小さくなっている状態ですが、痛みが緩和されている間にリハビリを行い、小さくなった関節包を広げるというのがこの治療法です。一度小さくなった関節包も、リハビリで元通りになるのです。リハビリをしても関節包の広がりが不十分な場合は、もう少し積極的な治療をすることもあります。超音波をつかった注射で関節包を膨らませる方法、超音波を用いて神経ブロック注射を施行し、肩を無痛状態にして徒手的に(何も使わずに素手で)関節包を裂く方法(非観血的関節授動術)、内視鏡で関節包をはさみで切る方法(観血的関節授動術)もあります。内視鏡手術をしても、その後のリハビリを怠ると再発してしまいますので、リハビリと連携し治療します。凍結肩は体の硬い人、女性、運動習慣がない人がなりやすいです。日頃から運動すること、姿勢をよくすることが大切です。あと肩甲骨の動きが硬いと凍結肩になりやすいので、肩甲骨を意識しながら動かすことが大事です。テーブル拭きなどはちょうどよいですね。座ったまま手を伸ばし、机の隅々まで拭く、という習慣は良いと思いますよ。

3.腱板断裂になってしまったら

腱板断裂について詳しく教えてください。

凍結肩とよく間違われるのが腱板断裂です。繰り返しになりますが、腱板とは腕の骨と肩甲骨を繋ぐ腱のことで、これが擦り切れた状態が腱板断裂です。腱板断裂は加齢によるところが大きく、若い人はならない疾患です。一般的に多いのは60~70代です。自覚症状についても幅広く、夜間の痛みが強い場合は早めの手術をお勧めします。肩は冷えに弱いので、夜中、特に寝ている間に冷えて痛みが出ることがあるのです。また寝ている姿勢が腱板に負荷をかけることもあるので、痛みが出やすいのです。程度によりますが、内視鏡を使った低侵襲の手術も可能です。内視鏡治療で切れた腱板を縫いつけるという手術です。さらに症状が進行した場合でも、人工肩関節を使った治療(リバース型人工肩関節置換術)もあります。これは簡単に言うと、人工肩関節で肩の別の筋肉(三角筋)を伸ばし、別の筋肉で肩を上げることが出来るようにするという特殊な手術です。これは、腱板が完全に萎縮してしまい修復できない場合など、腱板断裂の末期の方を対象としています。この特殊な手術は平成27年から可能になりましたが、実施できる医師はまだ限られています。もちろん当院では施術可能です。

最後にメッセージ

当院では、超音波検査を行いその場で診断をつけることも、MRIを撮って確定診断することも可能です。当院の超音波は画像が鮮明なので、検査を含め治療まで行うことができます。「五十肩かな?」と思った方は、年齢のせいだと諦めるのではなく、できるだけ早く病院に来て診断を受け、適切な治療を受けてください。万が一腱板断裂でも、治療方法は確立されているので心配ありません。肩に痛みを感じたら、迷わず受診してください。また当院には、肩、肘、手、脊椎、下肢(膝・足)など、各関節の専門医が揃っています。ドクター同士の連携も密にとれていますので、色々な部位の症状でかかっていただいても、当院だけで完結することができます。

整形外科について

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