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これだけは知っておきたい!脳卒中に関する5つのポイント


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脳卒中に関する5つのポイント

脳神経外科 副部長 兼 脳卒中センター センター長
伊藤 圭佑(いとう けいすけ)
  • 主な資格/日本脳神経外科学会 専門医、日本脳神経血管内治療学会 専門医
  • 得意分野/脳血管障害の外科手術、血管内治療、頭部外傷、脳腫瘍、ボトックス治療

1.脳卒中とは

脳卒中とは脳の血管に起因する病気です。卒中の字の通り、突然中る(起こる)のが特徴です。脳卒中は大きく分けて3つあります。血管が詰まり、その先に血液が流れなくなる「脳梗塞」、脳の中の細い血管が切れて出血する「脳出血」、脳の表面を走っている、肉眼でも確認できるような太い血管が切れてしまう「くも膜下出血」です。
脳梗塞の原因
脳梗塞の原因はさまざまで、心臓の不整脈が原因となること(心原性脳梗塞)もあれば、動脈硬化で血管が細くなって詰まってしまうこと(アテローム血栓性脳梗塞)もあります。
脳出血の原因
特にご高齢の方に多い脳出血は、動脈硬化に起因する高血圧性がほとんどです。なかなか防ぎきれないものではありますが、血圧を下げる・コントロールすることで予防します。
くも膜下出血の原因
ほとんどは動脈瘤(どうみゃくりゅう)が原因となります。血管に瘤(こぶ)が出来てしまい水風船のように膨らみ、それが何かのきっかけで破裂してしまうことで起こります。

2.自覚症状について

脳卒中の症状をまとめた標語「FAST(ファスト)」はぜひ覚えてください。F はFace、顔の麻痺症状で、脳卒中の場合は顔の片側にだけ症状が出るのが特徴です。A はArm、手足の症状。これも両手足ではなく左右どちらかに麻痺がでたり力が入りにくくなったりします。S はSpeech。話しにくい・ろれつが回らないなどの構音障害や、言葉が出てこない失語が現れます。最後のT はTime、時間です。脳卒中、特に脳梗塞は発症してからは時間との闘いです。治療が早ければ早いほど後遺症もなく元の生活に戻れる可能性が高くなります。そのため、もしなにか脳卒中を疑うような症状があればいち早く病院に来てもらうことがとても大事です。
一方、くも膜下出血の症状はわかりやすく、突然激しい頭痛が起こります。例えるなら「バットで頭を殴られたような」「瞬間に衝撃が走るような」強い痛みです。その場合はすぐに救急車を呼んで脳神経外科のある病院に行ってください。

3.診断について

症状から頭(脳)に何かが起こっていることは予想がつきますが、脳梗塞か脳出血かは症状ではほとんど区別がつきません。なので診断はCTやMRIを撮影して行います。特に脳梗塞は時間との闘いになるので、まず脳梗塞かどうかの判別をしていきます。それにはMRIがとても有用で、脳梗塞が起きている場所や血が流れていない範囲なども確認することができます。

MRI

一宮西病院の体制
当院にはMRIが3台あり、放射線技師も24時間365日体制で撮影できる環境を整えています。そのため当院では来院から10分以内にMRIを撮影することができます。これはスピードが勝負の脳卒中治療においてとても重要です。さらに、撮影中でも脳梗塞の診断がつけば、すぐに各所に連絡して、治療体制を同時進行で整えていきます。スタッフ全員が時間を意識しながら治療することができているので、患者さんの命を救うことはもちろん、機能予後を良くするために最善の体制が整っています。

4.治療について

脳梗塞の治療
現在の治療の主流は「血栓回収療法」です。この数年で急速に進歩している分野で、この治療法のおかげで重症の脳梗塞の患者さんでもほとんど麻痺がなく家に歩いて帰れる方が増えました。当院でも血栓回収療法を行った方の約7割は機能的にも改善して、リハビリ後は自宅での生活ができるようになっています。他にもt-PAと呼ばれる血の塊を溶かすような薬もあります。血栓回収療法、t-PA、直達手術(開頭手術)を状況に応じて行います。

ステントによる血栓回収療法

一宮西病院の治療体制の特長
一番の特長は、脳神経内科・脳神経外科の両方で治療チームを形成していることです。急性期の外科治療が脚光を浴びやすいですが、脳卒中にならないための「予防の治療」や「再発防止の治療」は内科の先生方が得意としています。一宮西病院では、予防・治療・その後のフォローまでを、内科と外科が密な協力体制で行っています。


5.予防について

脳梗塞・脳出血、全てに共通していえるのは「血圧」です。血圧が高いとそれだけ血管に負担をかけているので、動脈硬化が進み、脳卒中が起きやすくなります。血圧が高いと指摘されている方はしっかりとコントロールしてください。脳卒中はなってしまうと命を落としたり後遺症が残ってしまう恐ろしい病気なので、基本的にはならないことが何より大切です。

3年に1度は脳ドックを受けよう
くも膜下出血に関しては、脳ドックなどでMRIを撮影して原因となる動脈瘤を見つけ予防することができます。脳卒中全体でいえば高齢者の方に起こりやすいですが、くも膜下出血は比較的若い、30代40代の方にも起こるのが特徴です。動脈瘤ができるかどうかは生活習慣はあまり関係なく、血圧が高くない方や健康な方でも危険性があります。そのうえで家族歴はリスク要因として挙げられています。家族や親戚にくも膜下出血になった方がいる場合は特に、脳ドックを活用して予防しましょう。リスクのある方は1~2年に1回、リスクのない方は3~4年に1回は脳ドックを受けることを推奨します。

最後にメッセージ

私たち医師や医療スタッフは密に連携を取り、一刻も早く治療を行うことを心がけています。しかし、私たちが関与できるのは患者さんが来院されてから。命を救い、後遺症を少なくするためには、皆さんが「FAST」など脳卒中の症状をしっかり把握し、疑いのある症状が出た場合はいち早く病院に行くことが大切です。