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前立腺がんについて


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前立腺がんとは

前立腺がんは、日本での罹患数増加が最も著しいがんです。2015年時点で男性がんの罹患数トップとなり、年間約10万人弱の新規患者さんがいます。また予測死亡数は年間1万2千人で、男性がんの第6位です。
前立腺は男性にある生殖器のひとつで、クルミほどの大きさで膀胱の真下にあり、尿道が中央を貫いています。精子にエネルギーや栄養を与える前立腺液を分泌し、受精しやすくする働きがあります。前立腺の活動には男性ホルモンが深く影響しており、前立腺がんもその影響を受けて成長する性質があります。前立腺がんが発生するメカニズムはまだ解明されていません。

早期発見・早期治療で完治を目指す

前立腺がんは早期発見・早期治療で完治を目指せます。適切な治療を行えば、10年生存率は80%以上が期待できます。しかし他の臓器に転移している場合は、5年生存率が45%になります。ですから早期発見・早期治療が重要となります。また高齢になるほど罹患率が増え、進行が遅くなる傾向があるという特徴があります。
前立腺がんは前立腺の尿道から離れた部位に発生することが多いため、早期ではほとんど自覚症状はありません。排尿障害(残尿感や頻尿、排尿困難など)の症状が出るのは、尿道に近い部位に発生することが多い前立腺肥大症です。前立腺がんは自覚症状による早期発見が期待できないため、50歳で一度「PSA検査」を受け、自身の基準値を知っておくことが大変重要です。

検査について

前立腺がんの検査には、①可能性を調べるスクリーニング検査、②本当にがんかどうかを調べる詳しい検査、③がんと診断された後に進行度を調べる検査…があります。スクリーニング検査では、血液検査でPSA値を測定します。PSA値が高くなるにつれ前立腺がんの確率も高くなりますが、PSA値は前立腺肥大症や前立腺炎などでも上昇し、値が高い方がすべてがんというわけではありません。その場合は超音波検査やMRI検査を行います。超音波検査は前立腺の大きさや形、MRI検査は前立腺がんの有無や場所を調べます。これらの検査でもがんが疑われる場合は、組織を細い針で採って顕微鏡で調べます。そこでがんの存在が確認されて初めて前立腺がんと診断されます。診断後にがんの進行や転移を調べるのがCT検査です。この結果によってがんの進行度が分類されます。

予防について

前立腺がんの原因は、男性ホルモンや食生活などさまざまですが、明確に特定されてはいません。とはいえ、やはり毎日の生活習慣には注意が必要です。

前立腺がんは加齢に伴い急激に発症率が高まります。50歳になったら定期的にPSA検査を受けることが重要です。

前立腺がんを予防するために・・・

  • 揚げ物を控える
  • 大豆製品の摂取
  • トマト(リコピン)の摂取
  • ストレスを溜めない生活
  • 適度な運動
  • PSA検査の受診

治療は早期であるほど選択肢が広がる

前立腺がんの治療には、経過を見る「PSA監視療法」、完治が目的の「手術療法」「放射線療法」、進行抑制が目的の「ホルモン療法」「化学療法」があります。進行が遅く生命に影響を及ぼさない低リスクの前立腺がんでは、無治療で経過観察をすることもできます。がんが前立腺の中に留まっていれば、完治を目指す手術療法や放射線療法などが選択できます。手術や放射線照射を希望しない方には、がんの進行を抑える治療をすることもできます。このように、早期であるほど治療の選択肢が広がるといえます。一方、がんが前立腺の外まで拡がっている場合は、完治を目指すことが困難となり、ホルモン療法や化学療法でがんの進行を抑える治療を行います。

手術療法について

前立腺がんの腹腔鏡下手術

手術療法は前立腺がんの治療法として一般的ですが、他の多くのがんと違って部分切除という選択肢はなく、すべて全摘除術になります。現在広く行われている手術は、開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援手術の3種類です。開腹手術は視野が広くて悪性部位を取り除くことも容易ですが、切開する範囲が大きく出血や術後の痛みがあります。腹腔鏡下手術は画像を通して広い視野が得られ、傷が小さく出血も少ない、身体に優しい低侵襲治療法です。ただ、熟練した術者でなければできません。ロボット支援手術は腹腔鏡に鉗子を取り付けたロボット・アームを挿入し、操作ボックスに入った医師が操作します。内視鏡画面は三次元で、従来の腹腔鏡画面(二次元)よりもリアルに患部を観察できますが、術者が触った感覚がないのが欠点です。

最後にメッセージ ~もし前立腺がんと診断されたら~

どの治療方針を選択するかは、がんの進行度や悪性度、PSA値、年齢、健康状態、人生設計、家族の受け入れ態勢など、さまざまな条件を考慮して選択されます。しかし最後は、患者さんご本人の意思が最優先されることはいうまでもありません。専門医とよく相談し、納得した上で、自分にとって最良の治療を選択することが大切です。