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伊藤圭佑医師インタビュー


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“命”だけでなく“脳機能”を救うという責任
脳血管障害の治療では救命だけでなく、脳の機能を守ることが重要になります。緊急の現場で、限られた時間の中で最適な手技を提供する。その使命感を胸に、伊藤圭佑先生は日々、技術を磨き続けています。

一方で、将来を見据えた教育にも強い関心を持ち、次世代の脳外科医を育てることにも力を注いでいます。「自分のすべてを伝え切った後輩が育った時が、医師としてのゴール」。そう語る伊藤先生に、地域医療の発展に対する想いや理想の医療について、お話を伺いました。
※掲載されている情報は2017年10月時点のものです。

プロフェッショナル論~働く上でのこだわり~

外科医である限り、自分の手術の質にこだわりたいと思っています。私は脳血管障害を専門にしていますが、この分野での血管内治療は急速に発展しています。それに伴い救える患者さんの対象も広がりましたし、救う対象も“命”だけでなく“脳細胞”、つまり“脳機能”も対象になりました。

手術の成否が患者さんの機能予後に直結するようになりましたが、裏を返せば、手術の質がよりシビアに求められることにほかなりません。脳細胞は数時間の虚血で死滅しますから、特に緊急の場面では目の前の患者さんはその場にいる私たちにしか救えません。ですから、救える患者さん、救える“機能”をより多くするために技術を磨くことは自分の責務だと思っています。

一方で、開頭手術の技術もこだわりのひとつです。急速に進歩する血管内治療は、患者の需要に対し医師の供給はまだ追いついていませんが、華やかな血管内治療を志す若手医師が増え、その需給バランスも10年後には変化しているはずです。その頃にはむしろ質の高い開頭手術ができる脳外科医が希少価値になるかもしれません。その時にそれを指導できる脳外科医になることが自分の価値を高めると考えています。

明日への挑戦~自らに課している要求~

テーマは教育です。自分が脳外科医として一人前になるゴールは、自分の技術・知識をすべて受け継いだ後輩が育った時だと考えています。先輩方から受け継いだ技術・知識をより大きく育てた上で後輩に繋ぐ、脳外科の歴史を未来へ繋ぐ歯車の一部になる、大袈裟に言えばそんなイメージです。後輩を少なくとも自分のレベルまで引き上げる。もちろんそれが簡単に達成できるような低いレベルでは意味がありませんから、自分もさらにレベルアップしなければなりません。

さらに理想は、後輩が自分のレベルに到達させるまでの期間をできるだけ短くすることです。なぜなら、今の医療レベルがゴールだとは到底思えないからです。医学は今なお発展し続けているわけで、教科書が改訂される度に分厚くなるのと同じように、後の世代になるほど、身につけなければならない技術・知識は多くなるはずです。ですから、自分が試行錯誤しながら身につけた技術・知識は、より効率的に後輩に伝える必要があると思っています。

いずれは、この施設で勉強したいと希望する若手医師が集まってくるような教育が出来ればと思っています。

理想の病院~こういう病院にしたい~

医療レベルはもちろん、サービス面など様々な要素があると思いますが、自分が理想とする病院は、自分の家族など大切な人に何かあった際に任せられる病院だと思っています。ここで日夜働いていて、表も裏もすべて知り尽くしているスタッフが自分の大切な人が病気になった時、迷うことなく連れて来られる病院が理想だと思います。ですから、個人的には日々一緒に働いているスタッフに信頼される仕事がしたいと思っています。(なかなかハードルは高いですが。。。)

また、地域への貢献という意味で、病院間の連携でもリーダーシップをとれるようになれればと思います。もちろんまずやるべきは当院に入院された患者さんの治療成績の向上かもしれませんが、いくら当院での治療成績が良くても地域全体での治療成績が悪ければ、地域への貢献としてはまだまだ足りないと言えます。啓蒙活動も必要ですし、地域医療を担うそれぞれの病院との連携も必要でしょう。最終的には、この地域の医療レベルが全国トップレベルにある、その中心に私たちの一宮西病院があるとなった時、真に地域へ貢献できたと胸が張れると思います。

プロフィール

一宮西病院
脳神経外科副部長 / 脳卒中センター長
伊藤 圭佑

2006年、金沢大学卒業。筑波大学附属病院で初期研修後、川崎幸病院で後期研修。その後、国立病院機構横浜医療センター、誠馨会新東京病院を経て、2016年より一宮西病院。

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