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大動脈疾患とは?



大動脈疾患は、非常に「やっかい」な疾患です。多くの疾患と違って、ほとんどの場合が無症状で経過するからです。多くの疾患では、症状が出てきてから治療しても間に合うことが多いのですが、大動脈疾患の場合、症状が出てからの治療では間に合わないことがほとんどです。大動脈疾患の場合、治療が間に合わないということはすなわち、生命の危険に直結するということです。そのような事態は避けなければなりません。
我々、ステントグラフト血管センタースタッフは、大動脈疾患から患者さんを守るために存在する専門スタッフであり、大動脈疾患における『最後の砦』になることが使命と考えています。大動脈疾患にお悩みの方や、大動脈疾患に不安をお持ちの方に、少しでも安心して日常生活を送っていただけるよう、全力で治療に当たっています。もし何か不安があるようでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。必ずや、患者さんのお役に立てると自負しています。

大動脈疾患の種類

大動脈疾患は大きく分けて“大動脈瘤”と“大動脈解離”の2つに分類されます。

● 大動脈瘤

大動脈瘤

大動脈が正常な大きさ(直径2~3cm)の1.5倍以上に大きくなった状態をいいます。大動脈の一部が突出した場合(嚢状瘤)も、大動脈瘤と呼びます。一般的には無症状で、発見されたときには、非常に大きくなっていたということもしばしばあります。まれにみられる症状としては、拍動性の痛みや激痛、または声が枯れたり、むせ込みやすくなったりすることがあります。これらの症状が出現したときは、動脈瘤が拡大傾向にあったり、破裂しやすい状態だったり、すでに破裂してしまっている場合もあり、早急な治療が必要です。
大きくなる部位によって治療適応、治療方法が異なってきます。

● 大動脈解離

大動脈解離

大動脈解離とは、血管の内側に裂け目が生じ、その裂け目に血液が流れ込むことによって、血管全体が裂けてしまう病気です。血管は3層の壁(内膜、中膜、外膜)から出来ています。その一番内側にある内膜に裂け目が入ると、そこに血液が流れこみ内膜と中膜がはがれてしまう状態となり、血管自体の壁が薄く、弱くなります。その多くは突然起こり、一般的に大動脈解離というと、急性大動脈解離を指します。急性大動脈解離は、未治療で放置した場合、死亡率が非常に高い病気なので、発症後直ちに適切な治療が必要となります。
症状は、突然発症する胸から背中にかけての“激痛”で、痛みの部位が移動していくのが特徴です。多くの患者さんが“今までに経験したことのないような激痛があった”と言われます。なかには、あまりの痛みに気を失う方もいたり、痛みと同時に、足が冷たくなって、しびれが生じて動かなくなることもあります。急性大動脈解離は、スタンフォードA型とB型に分類されます。

大動脈疾患の原因

大動脈疾患とは、心臓から始まる人間の血管の中で最も太い血管である”大動脈”に生じる病気のことで、一般的には動脈硬化や高血圧症などによる血管の変性が考えられています。まれな原因としては、遺伝的に血管が弱く、動脈瘤や大動脈解離が生じやすい方もおられます。また、外傷や炎症、感染症などにより大動脈瘤が生じることもあります。

大動脈疾患の自然経過

● 胸部大動脈瘤が1年間に破裂、解離を生じる割合

大動脈疾患、特に大動脈瘤の場合は、一般的には無症状のまま経過することがほとんどなので、発見されたときにはすでにかなりの大きさになっている場合や、破裂することで初めて指摘されることも珍しくありません。破裂した場合は、大量の血液が一瞬で血管内から失われるためショック状態となり、手術を行なっても救命率が低下します。そのため、破裂する前の適切な管理、治療が重要となります。
動脈瘤の大きさ(cm) 破裂、解離率
4.0~4.9 5%
5.0~5.9 10~15%
6.0以上 15~20%以上
大動脈瘤・大動瘤解離診療ガイドライン2006