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円形脱毛症


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円形脱毛症は、髪が円形や楕円形に抜ける病気です。免疫の働きが自分の毛根を攻撃してしまうことで起こると考えられており、公的医療保険で治療ができます。

治療法は一つではありません。脱毛の範囲、発症からの時期、年齢によって、適した治療は変わります。一宮西病院では、日本皮膚科学会「円形脱毛症診療ガイドライン2024」をもとに、患者さま一人ひとりの状態とご希望にあわせて治療をご提案します。
フロアマップ
地図を移動させるには指2本で操作してください
B棟1階
診療日時 月〜金 9:00-12:00

円形脱毛症とは

髪を作る毛根(毛包)を、本来は体を守るはずの免疫が誤って攻撃してしまうために起こる病気です。攻撃を受けた毛根は、髪を作る働きを止めてしまいます。

円形脱毛症では、毛根そのものが失われて跡が残ることはありません。そのため、髪が再び生えてくる可能性は残されています。治療は“なくなった毛根から髪を生やす”ものではなく、毛根への攻撃を鎮め、休んでいる毛根にもう一度働いてもらうことを目指します。

ただし、炎症が長く続いたり、脱毛の範囲が広がったりすると、毛根は小さく縮んだ状態のままになり、回復に時間がかかったり、治療が効きにくくなったりします。症状が続いている場合や広がってきた場合に、早めのご相談をお勧めするのはこのためです。

症状が現れるのは髪や体毛、そして爪だけで、内臓や全身の健康に影響する病気ではありません。人にうつることもありません。

一方で、見た目の変化は日常生活や気持ちに大きく影響します。実際に、多くの方が生活への影響や不安を感じておられることが報告されています。“気にしすぎ”ではありません。気になることは遠慮なくご相談ください。

受診方法
受診からリハビリまで、シームレスな医療を提供

原因について

円形脱毛症は、自分の免疫が自分を攻撃してしまうことにより発症する病気で、はっきりしたきっかけが無いこともあります。疲れやウイルス感染、出産などがきっかけになることはありますが、ストレスがどの程度関わるのかはまだよく分かっていません。

ご家族に同じ症状の方がいる場合があり、生まれ持った体質が関わると考えられています。また、甲状腺の病気、貧血、皮膚の一部が白く抜ける病気(尋常性白斑)などをあわせもつことがあり、必要に応じて血液検査で確認します。

経過と見通し

狭い範囲であれば、自然によくなることも少なくありません
脱毛が1〜数ヶ所にとどまる場合、多くの方は1年以内に回復するとされています。そのため、すぐに強い治療を始めず、塗り薬を使いながら経過を見るという選択をとることもあります。

範囲が広い場合は、時間がかかります
脱毛が頭部の広い範囲に及ぶほど、回復には時間を要します。ただし近年は治療の選択肢が増え、以前は難しかった状態でも改善が期待できるようになりました。

急に広がっているときは、早めの受診を
短期間に頭部全体へ抜け毛が広がっている場合は、早い時期の治療が有効なことがあります。

効果の判断には数ヶ月かかります
髪が伸びる速さには限りがあります。治療を始めてすぐに変化がなくても、慌てる必要はありません。

再発することがあります
一度治っても、再び起こることは珍しくありません。その場合もあらためて診察し、同じように治療できます。

当院での検査・診断

診察とダーモスコピー(拡大鏡)

頭皮を拡大して観察します。ほかの脱毛症との見分けに加え、いま脱毛が進んでいる時期かどうかの判断にも役立ちます。

抜け毛の検査

脱毛部の周囲の毛を軽く引いて、抜けやすさを確かめます。病気の勢いを知る手がかりになります。

血液検査

甲状腺の病気や貧血など、背景にほかの病気がないかを必要に応じて確認します。

皮膚生検

診断が難しい場合、頭皮の一部を採取して顕微鏡で調べることがあります。

治療の考え方

ガイドラインでは、次の3つをもとに治療を選ぶこととされています。
  1. 脱毛の範囲 頭部全体のどのくらいの割合に及んでいるか。おおよそ4分の1以上に及ぶ場合を重い状態と考えます。
  2. 発症からの時期 急に広がっている時期か、長く続いている状態か。
  3. 年齢 治療によっては、お子さまにはおこなわないほうがよいとされるものがあります。
どの段階でも、治療を変える・追加する・しばらく経過を見る、という選択があります。ガイドラインは判断の材料であって、これに従わなければならないものではありません。それぞれの治療の利点と負担をご説明したうえで、ご希望を伺って一緒に決めていきます。

治療の種類

外用療法(塗り薬)

炎症を抑えるステロイドの塗り薬を中心に用います。範囲を問わず使え、治療の基本となります。あわせて、頭皮の血のめぐりをよくするフロジン外用液(カルプロニウム塩化物)を使うこともあります。

内服療法(飲み薬)

セファランチン、グリチロン配合錠を塗り薬とあわせて用いることがあります。アレルギー反応や炎症を抑える働きがあり、古くから円形脱毛症に使われてきた薬です。アレルギー体質のある方には、抗アレルギー薬をあわせて用いることもあります。

ステロイド局所注射

脱毛している部分の皮膚に、炎症を抑える薬を直接注射します。脱毛の範囲が限られている成人の方に高い効果が期待できます。4〜6週間ごとに繰り返します。注射のときに痛みがあります。

局所免疫療法

かぶれを起こす薬剤をわざと頭皮に塗り、軽い皮膚炎を起こすことで毛根への攻撃をそらす治療です。脱毛の範囲が広い方や、長く続いている方が対象で、年齢を問わず選べる治療です。はじめに腕などで薬への反応を作り、その後、脱毛部に薄い濃度から塗り始めます。軽いかゆみが2〜3日続く程度を目安に濃度を調整しながら、1〜4週間に1度通院していただきます。
この治療で使う薬剤は国内で医薬品として承認されていないものを当院で調製しています。薬剤の費用は当院で負担するため、追加のご負担はありません。

ステロイドパルス療法(点滴)

炎症を抑えるステロイドを、3日間続けて点滴で投与する治療です。短期間に集中しておこなうことで、急速に進む脱毛の勢いを抑えることを目指します。発症してから間もない時期に、脱毛が急速に広がっている成人の方が対象です。発症から時間が経った状態では効果が期待しにくいため、時期を見極めて判断します。

JAK阻害薬(飲み薬)

炎症を引き起こす体内の信号の伝達を抑える飲み薬です。頭部の広い範囲に脱毛が及び、長く続いている場合に用います。近年になって円形脱毛症に使えるようになった薬で、治療が可能です。国内ではオルミエント(バリシチニブ)とリットフーロ(リトレシチニブ)が使用できます。

使用できる条件

  • 頭部全体のおおよそ50%以上に脱毛があること
  • 過去6ヶ月ほど、自然に髪が生えてきていないこと
  • 年齢や、ほかの病気の状態などの条件を満たすこと

効果を判断するまでに半年程度かかります。服用中は定期的な血液検査が必要で、飲むのをやめると再び脱毛することがあります。始めるかどうかは、効果と負担の両方をご説明したうえで、ご相談して決めます。

紫外線を当てる治療(光線療法)は、当院ではおこなっておりません。ご希望の場合は、実施している医療機関をご案内いたします。

治療にあたって

どの治療にも、期待できることとあわせて知っておいていただきたい点があります。診察の際、該当される方に必要な内容を詳しくご説明します。
治療 主な注意点
ステロイド外用 長く使うと皮膚が薄くなる、毛穴の炎症が出ることがあります。
フロジン外用液 塗った直後に汗が出ることがあります。入浴直後の使用は避けてください。
内服薬 発疹、むくみ、胃の不快感が出ることがあります。血圧やカリウム値を定期的に確認します。
ステロイド局所注射 注射時の痛み、注射部位の一時的なへこみが起こることがあります。
局所免疫療法 強いかぶれ、首のリンパ節の腫れが起こることがあります。反応が強い場合は中断して処置します。
パルス療法 不眠、血糖値の上昇などが起こることがあります。持病により実施できないことがあります。
JAK阻害薬 感染症にかかりやすくなることがあります。治療前と治療中に検査をおこないます。
気になる症状があれば、次の診察を待たずにご連絡ください。

日常生活について

  • 洗髪・ヘアケア 普段通りで構いません。
  • 帽子・ウィッグ 使っていただいて問題ありません。
  • カラー・パーマ 治療の内容によっては控えていただくことがあります。ご相談ください。
  • 仕事・学校 制限はありません。治療のために生活を変える必要はありません。
  • 食事・睡眠 特定の食品で治る、悪くなるということはありません。
  • 市販の育毛剤・シャンプー 円形脱毛症を治す効果は確かめられていません。自己判断で続けるうちに範囲が広がることもあります。まずは診察を受けてください。

受診と費用について

円形脱毛症の診療は、皮膚科外来(月〜金 9:00-12:00)でおこないます。公的医療保険の対象ですので、受診の際は保険証をお持ちください。

エイジングケアセンター(毛髪・脱毛症診療)を受診された方へ

薄毛のご相談で受診された方も、診察の結果、円形脱毛症など公的医療保険の対象となる病気と診断された場合は、そのまま保険診療に切り替えて治療をおこないます。この場合、診察料も保険診療の扱いとなります。

診察の結果、男性型脱毛症女性型脱毛症と診断された場合は、自費診療にて治療を受けることが可能です。


よくある質問

Q. 円形脱毛症は保険で治療できますか?
A. はい。円形脱毛症の治療は公的医療保険の対象です。受診の際は保険証をお持ちください。

Q. ストレスが原因ですか?
A. きっかけになることはありますが、それだけが原因ではありません。自分の免疫が自分を攻撃してしまうことにより発症する病気で、はっきりしたきっかけが無いこともあります。

Q. 放っておいても治りますか?
A. 範囲が狭い場合は自然によくなることもあります。ただし、繰り返す場合や範囲が広がってきた場合は、早めに診察を受けてください。

Q. どのくらいで生えてきますか?
A. 髪が伸びる速さには限りがあるため、効果の判断には数ヶ月かかります。また、現れ方には個人差があります。

Q. 一度治りましたが、また抜けてきました。
A. 円形脱毛症は繰り返すことがあります。あらためて状態を確認し、治療方針をご相談します。

Q. 子どもでも受診できますか?
A. はい。円形脱毛症はお子さんにも起こる病気で、当院では年齢を問わず診療しています。お子さんの場合は、塗り薬を中心とした治療から始めます。痛みや体への負担が大きい治療は、原則としておこないません。脱毛の範囲が広い場合には、年齢に応じて使える治療をご相談します。学校生活でのご心配なども、あわせてお聞かせください。

Q. まゆ毛やまつ毛も抜けています。
A. 円形脱毛症は、頭髪以外に及ぶことがあります。あわせてご相談ください。

Q. 市販の育毛剤やシャンプーで治りますか?
A. 円形脱毛症を治す効果は確かめられていません。自己判断で続けるうちに範囲が広がることもありますので、まずは診察を受けてください。

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