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第2回 ロボット支援手術のメリット


小高 水曜日のこの時間は「健康のつボ!~ロボット支援手術について」、一宮西病院 外科副部長で消化器低侵襲手術センター副センター長の岡田 和幸先生に教えていただきます。ロボット支援手術は、ロボットが手術をするわけではなく、手術を支援するロボットのことなんですって。

つボイ 手術台から離れたところでアームの付いたロボットを操作するということですけれども、ロボット支援手術ということは、それなりのメリットがあるわけですね。ロボット支援手術はどんなメリットがあるのか、ちょっと聞いてみましょう。

小高 はい、岡田先生です。

岡田 ロボット支援手術は、従来の内視鏡手術、腹腔鏡下手術ですね。それと似ているところが多いですが、その進化形と言えると思います。内視鏡手術は今まで経験された方も多いかと思います。

小高 腹腔鏡下手術やりました!わたしは手術したんじゃなくてされた方ね。

つボイ 誰もあんたがやるなんて思ってへんわ。

岡田 お腹とか胸に1センチぐらいの小さい穴をいくつか開けて、内視鏡という細長いカメラをお腹の中に入れて、他の穴から鉗子という長い棒を入れて、お腹の中を見ながらその鉗子を動かして行う手術です。

小高 その腹腔鏡下手術も昔の開腹手術のように、お腹横1文字とか縦1文字っていう傷跡と違って、本当にちっちゃくて済むんですよね。

岡田 傷が小さくて済むので、負担が少ないということになります。ただ、内視鏡手術というのは、鉗子という穴から入れる長い棒が、先がパカパカ動くだけで途中でぐにゃっと曲がったりとかするわけではないんですよね。直線的な動きしかできないので、操作性という意味ではちょっと自由度が低いかなと感じていまして、技術的な熟練ていうのがかなり必要でした。

つボイ はい。

岡田 内視鏡手術は基本的に外科医3人で行います。助手の先生が2人いて、1人はカメラ、もう1人は組織を持ったりして術野を作ってくれるんですけど、そこの外科医同士で意思疎通ができていないと、なかなか執刀する先生が思うような視野が出ないことで、ちょっとそこら辺で苦労することもありました。

つボイ 文楽人形みたい。2人じゃなくて3人で支えてやってますけど。

小高 息が合わないとへんてこな文楽の動きになっちゃう。せっかく切ろうと思っても上手に掴んでもらえないと、ちゃんとしたところで切れないとか、そういうのがあるわけですか。

岡田 そういうことです。あと、手ぶれですね。どうしても人間ですので、その鉗子を通して手ぶれがしてしまったりとか、長時間立ちっぱなしで医者の体力的な問題というのもあります。そういったデメリットを克服するために作られたのが手術支援ロボットということになります。

小高 腹腔鏡下手術のデメリットをもうちょっと緩和させて、その進化形ということですね。

岡田 ロボット支援手術では、内視鏡手術の鉗子に比べて、ロボットの手が自分の手のような関節があるような動きをするので、より細かな作業が可能になってきます。まるで、自分の手を小さくしてお腹の中に入って手術をしているような感覚です。

小高 昔の人間だと、そうは言っても、やっぱり人間の手にかなうものはないんじゃないの?ってちょっと疑う心がありそうなんですけど(笑)

岡田 ロボットの手は8ミリぐらいの大きさなんです。人間の手ってそんな小さくないですよね。その小さい手を使って、さらに画像を拡大して見て作業できるので、人間の手でやるよりもより細かな作業が実際はできます。

つボイ 昔の手術は立ってたけど、これは座ってやるんですよね。そういうところも大分違いますよね。

岡田 そこも違いますね。座ってモニターを見ながら作業できるので、やっぱり体力的な負担というのも軽くなると考えています。

小高 さっき手ぶれも腹腔鏡下手術の時は結構大変だったっておっしゃってましたけど、これはどうなんです?

岡田 それもですね、コンピューターが制御してくれます。カメラと一緒で手ぶれ補正というのが入って、ぶれにくくなると言われてますね。

小高 今までのは手術する先生側のメリットみたいなものが多かったですけど、受ける人のメリットはどんなものがあるんですか?

岡田 やはり傷が小さくて済むことです。内視鏡手術と傷自体の大きさはそんなに変わらないんですけど、開腹手術と比べたら、傷が小さくなるというメリットはあります。あと、周りの残すべき組織に優しい手術ができるので、体への負担は少なくなるかなと考えています。



つボイ ロボット支援手術というのは、内視鏡手術の進化形というふうに理解できるんでしょうかね。

小高 そうですね。小さなロボットの手で人間の手以上の細かい動きができるということで、やっぱり技術って進んでいるんですね。さあ、来週も岡田先生にロボット支援手術についてうかがいます。

そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

つボイ はい、質問お待ちいたしております!

小高 「健康のつボ!~ロボット支援手術~」でした。

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