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第9回 ロボット支援手術~消化器外科④(膵臓)


小高 水曜日のこの時間は「健康のつボ!~ロボット支援手術について」、一宮西病院 外科副部長で消化器低侵襲手術センター副センター長の岡田 和幸先生に教えていただきます。

つボイ いろいろな分野の手術が保険適応になりまして、どんどん広がっているロボット支援手術法です。

小高 手ぶれがない、鉗子の動く方向が自在であるということから、体の奥深いところの手術にも有効ということでしたよね。今日は膵臓の手術におけるロボット支援手術について教えていただきます。岡田先生です。

岡田 膵臓はお腹の中で背中側にある臓器で、主に消化液の膵液を作ったりとか、インシュリンというホルモンを作っている臓器です。

つボイ はい。

岡田 そこにできた腫瘍は、がんや比較的良性に近いものに対しても、ロボット手術の適用、保険適用があります。膵臓はオタマジャクシみたいな形をしていて、部位として頭、体、尻尾の3箇所に大きく分かれています。そして、その腫瘍がどこにあるかによって術式が変わってきます。

つボイ はい。

岡田 大きく2パターンありまして、尻尾側に腫瘍がある場合は、体尾部切除。体と尻尾の膵臓を取ってくる手術ですね。頭側に腫瘍がある場合は、膵頭十二指腸切除という手術になります。

つボイ これはどっちが難しいんでしょうか。

岡田 尻尾側にある方が比較的簡単です。簡単ではないですけど、比較的に簡単に手術ができます。

小高 イメージで言うとそのオタマジャクシの尻尾の部分をチョキンと。

岡田 そうですね、チョキンと切ってしまう手術です。尻尾側には脾臓というのが近くにあるんですけど、脾臓を取ったり取らなかったりというのはありますが、切っておしまいという手術です。簡単ではないですけど。

つボイ 生物ってなんでも頭の方が大事なものがあるので。やっぱりそうすると、膵臓も頭の方に大事なものがあるんでしょうか。

岡田 そういうことですね。膵臓の頭にはそれを覆うようにして、十二指腸という胃の次にある腸管があるのと、胆管という胆汁が通る消化管が、肝臓から膵臓を通って十二指腸に出てくるものがあります。なので膵臓の頭部分を取ろうとすると、消化管も切らないといけないし、胆管も切らないといけない。あと膵臓の中の膵管という管も切らないといけない。しかも、切っただけで終わりじゃないんです。

つボイ 終わりじゃない。

岡田 切っただけで終わりだったら、食事は食べられますが、消化液がだだ漏れになります。そこを小腸と繋げないといけない。しかもその繋げる箇所が3か所あるというところが、やっぱり複雑で大変なんです。

つボイ 頭のところにできた時の方が、非常に難しい厄介な手術になるんですね。

小高 その頭の方のいろんなものを繋げたりとかいうこともロボットはできちゃうんですか?

岡田 かなり難しいです。どこの施設でもできるというわけでは、これに関してはないですね。最初に話した尻尾側を取る手術に関しては、比較的容易いのでロボット手術を行っている施設は結構多いと思います。頭側を取る手術に関しては、最後の縫い合わせないといけないところですね。特に膵管という膵臓の管を縫い合わせるところが数ミリぐらいしかないですので。

つボイ これ大変な細かい仕事ですね!

岡田 ただ、腹腔鏡で行っていた時もあるんですけど、それに比べると随分やりやすくて、やっぱり関節がある、ブレがないというところがすごく大きいですね。そういう細かい作業がやりやすくなるというところがロボット手術の利点だと思います。

つボイ 今聞いてると、頭の方にできると大変で、尻尾の方が手術としては比較的簡単だということですけど、どこにできる割合が多いんですか?

岡田 実は頭の方です。

つボイ 頭の方!厄介なほうにできる場合が多い!

小高 膵臓は、このコーナーでも一旦がんになると非常に厄介であるというのは何度もお聞きしてるんですが、このロボット支援手術でその厄介さっていうのは軽減されているんでしょうか?

岡田 そうですね。手術で取る範囲というのは決まっていますので、開腹手術の時と比べてより丁寧に取れるかもしれないですし、もちろん傷も小さくて負担が少ないです。あと残すべき臓器、残ってる側の膵臓への負担などはロボット手術の方が少なくなって、より体に負担が少ない手術になるかと思います。化学療法とかも含めて、少しずつがんに対する治療の成績は上がってきていると思います。

つボイ 背中の側にある膵臓までできるという手術ですが、ロボットだから万能ではなくて、あくまでロボット支援手術。ロボットを操る先生の腕も重要であるということですね。

小高 さあ、来週も岡田先生にロボット支援手術についてうかがいます。

そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

つボイ はい、質問お待ちいたしております!

小高 「健康のつボ!~ロボット支援手術~」でした。

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