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無痛分娩(硬膜外産痛緩和)


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2026年1月、無痛分娩スタート。
一宮西病院で、より“あなたらしいお産”を。
「出産の痛みが不安…」「リラックスして赤ちゃんを迎えたい」──そんな想いに寄り添うため、一宮西病院では無痛分娩(硬膜外産痛緩和)という選択肢をご用意。経験豊富なスタッフがチームとなり、医学的な安全性に基づいた“あなたらしいお産”を全力でサポートします。

無痛分娩とは

無痛分娩(硬膜外産痛緩和)は、麻酔を使って出産の痛みを和らげる方法です。完全に痛みを取り除くというより、陣痛のつらさを「痛い」から「張っているのがわかる」程度に軽減することを目的とします。これにより、心身の負担が軽くなり、リラックスした状態で出産に臨むことができます。

当院では、安全で一般的な硬膜外麻酔という方法で痛みを和らげます。
全分娩数に占める無痛分娩の件数
無痛分娩に対応している施設の割合

硬膜外麻酔

硬膜外麻酔は、背中から細いチューブ(カテーテル)を入れ、脊髄の近くにある硬膜外腔というスペースに麻酔薬を注入する方法です。お腹の感覚を伝える神経に直接作用するため、少ない薬の量で効果的に痛みを和らげることができます。

当院では、安全性を最優先し計画無痛分娩をおこなっています。
計画無痛分娩の流れ

入院部屋

1
入院
あらかじめ決めた予定日にご入院いただきます。子宮の出口の状況によっては、子宮の出口を器械的に拡張する処置を実施します。

麻酔をする際の姿勢

2
麻酔の準備
分娩が始まる前に麻酔の準備をします。エビのように背中を丸め、背中の皮膚を消毒した後、局所麻酔をして痛みを軽減させます。
麻酔科の医師が硬膜外腔に針を進め、非常に細いカテーテルを挿入。針を抜くとカテーテルだけが背中に残ります。痛みはほとんどありません。
3
陣痛促進と麻酔開始
陣痛促進剤の点滴を開始し、陣痛の状況に合わせてカテーテルから麻酔薬の投与を始めます。麻酔が効きはじめると、徐々に陣痛の痛みが和らいでいきます。

4
出産
麻酔により痛みは和らぎますが、意識ははっきりしており、状況によりますがいきむことも可能です。助産師や医師のサポートのもと、ご自身の力で出産に臨みます。
5
産後
出産後、カテーテルを抜き取ります。麻酔の効果は数時間で自然に切れていきます。

無痛分娩のメリット・デメリット

すべての医療行為と同様に、無痛分娩にも以下のようなメリットやデメリット、合併症の可能性があります。当院では、これらのリスクを最小限に抑え、万が一の場合にも迅速に対応できる体制を整えています。
メリット
  1. 痛みの軽減による心身の負担減
    出産に対する恐怖心や不安が和らぎ、リラックスして出産に集中できます。
  2. 体力の消耗を防ぐ
    痛みが少ないため、産後の体力回復が早い傾向にあります。
  3. 血圧の安定
    陣痛のストレスによる血圧上昇を抑えることができるため、妊娠高血圧症候群などの方には特に有効です。
  4. 赤ちゃんへの良い影響
    お母さんがリラックスすることで子宮や胎盤への血流が安定し、赤ちゃんに十分な酸素が供給されやすくなります。
デメリット
  1. 足の感覚が鈍くなる・動きにくくなる
    痛みの神経の近くに足を運動に関わる神経があるため、一時的に力が入りにくくなることがあります。 麻酔の作用がなくなると自然に改善します。
  2. 血圧の低下
    麻酔によって血管が弛緩するため、一時的に血圧が下がることがあります。全体の約10〜15%の方にみられますが、自然経過や点滴で改善することが多く、胎児に影響することはほとんどありません。
  3. 排尿障害
    膀胱の排尿に関わる神経が一時的に鈍くなるため、尿が出にくくなり、導尿や尿バルーンの留置が必要になることがあります。通常処置にともなう痛みはほとんどありません。
  4. 体温上昇
    分娩中に一時的な体温上昇(微熱)がみられることがあります。全体の約15〜20%の方にみられますが、これは感染によるものではなく、体温調節の変化によるものであり、冷却(クーリング)で対応します。
  5. 硬膜穿刺後頭痛
    起き上がると悪化し、横になると改善する頭痛がみられることがあります。発生頻度は約1%とまれで、多くは経過とともに自然に改善しますが、必要に応じて薬剤で治療をおこなうこともあります。
  6. 神経損傷
    発生頻度は数万人に1例と非常にまれですが、背中の穿刺した部分に血や細菌による塊ができ、背骨の中の神経に影響を及ぼすことがあります。 麻酔の穿刺や麻酔薬自体が原因となることもあります。
  7. 局所麻酔薬中毒
    ごくまれに麻酔薬が直接血管の中に入ることで、脳や心臓に重篤な合併症を引き起こすことがあります。命に関わることもある重篤な合併症ですが、当院は24時間365日麻酔科医が常駐しており、適時迅速に対応できる体制を整えています。
  8. 高位脊髄くも膜下麻酔
    ごくまれに麻酔薬が硬膜外腔ではなく脊髄くも膜下腔に入ることで、呼吸や心臓の動きなどに重篤な合併症を引き起こすことがあります。命に関わることもある重篤な合併症ですが、当院は24時間365日麻酔科医が常駐しており、適時迅速に対応できる体制を整えています。

一宮西病院での無痛分娩の特長

1
総合病院ならではの
高い安全性

一宮西病院では、産婦人科医・麻酔科医・助産師・小児科医が緊密に連携するチーム医療を実践し、安全な無痛分娩をおこなう体制を整えております。分娩中に万が一の事態が発生した場合でも、各科の専門医が迅速に対応し、お母さんと赤ちゃんの安全を第一に守ります。

2
専門の麻酔科医による
万全の管理体制

2025年現在、麻酔科医ではなく、産婦人科医によって無痛分娩の麻酔が実施されている施設が半数以上とされています。当院では、無痛分娩の経験を持った麻酔科医が常駐しており、麻酔科医とともに産婦人科医や助産師も協働で無痛分娩の管理をおこない、常に安全性を高める努力をしています。緊急時の対応にも万全の管理体制を整えておりますので、安心してお任せください。

当院における無痛分娩の概要

対象者

  • 原則として、出産経験(経産婦)があり、陣痛促進剤を使用した計画分娩による無痛分娩を希望される方

無痛分娩を安全におこなうため、医師が適応を判断します。ご希望の方は妊婦健診の際に医師にご相談ください。

※今後、初産婦の方に向けた対応や24時間実施可能な体制を整備予定

計画無痛分娩実施日

2026年1月開始
毎週水曜日(予定)

費用

通常の分娩費用110,000
※別途、無痛分娩の事前検査代・診察代が必要となります。

情報公開について

日本では安全な無痛分娩の提供体制を構築するため、2018年に「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」が示され、関連学会・団体によるJALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)が発足しました。

一宮西病院はJALAの趣旨に賛同し、無痛分娩に関する正確でわかりやすい情報を公開することで、妊婦の方が安心して医療を選択できる環境づくりに努めています。