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脳梗塞の治療 ~血栓回収療法~


脳梗塞は、脳卒中の約7割を占める!

脳血管の障害により生じる病気の総称を脳卒中といい、中でも脳の血管が詰まって脳細胞が死んでしまう病気を脳梗塞といいます。脳梗塞は脳卒中の中でも大きな割合を占めています。後遺症により生活に支障をきたすこともあり、早期の治療開始が重要になります。

症状をよく知り、いち早く病院へ!

脳梗塞によって血流が止まると、脳細胞は急速に壊死してしまい、再生は難しいとされています。できる限り早く治療を開始して、脳の血流を改善させることが重要です。まさに1分1秒が運命を変えると言っても過言ではありません。

こんな症状が出たら、一刻も早く救急車を!

脳梗塞の主な症状には『手足の麻痺』や『ろれつが回らない』などがあります。痛みを伴わないことが多く、脳の病気だと気付きにくいため「少し様子を見よう」「あまり動かしたらいけない」という意識が働き、治療が遅れるケースが多々あります。しかし、治療が遅れることで運動麻痺や言語障害などの後遺症が残ったり、寝たきりになったり、最悪の場合死に至ることもあります。脳梗塞の症状をよく知り、もしものときに備えましょう。

● 一時的な症状にも要注意!

脳梗塞の症状は数分~数時間で消えることがあります。これは、「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれ、本格的な脳梗塞の前触れといわれています。見過ごさず、すぐに医療機関に受診してください。

合言葉『 FAST 』を覚えよう!

脳梗塞を強く疑うべき症状をまとめた『 FAST (ファスト) 』という合言葉があります。顔(Face)、腕(Arm)、言葉(Speech)に突然の異常を感じたら、発症時刻(Time)を確認して迷わず救急車を呼んでください。

Face <顔の麻痺>

●顔の片側が下がる
●ゆがみがある

Arm <腕の麻痺>

●片腕に力が入らない

Speech <言葉の障害>

●言葉が出てこない
●ろれつが回らない

Time <発症時刻>

●発症に気がついたら発症時刻を確認してすぐに119番を!

脳梗塞にならないために

【 原因 】
脳の血管が動脈硬化を起こしてしまうと、脳梗塞を起こしやすくなります。この動脈硬化の原因として、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙などが挙げられます。

【 予防 】
一番大事なのは血圧の管理ですが、動脈硬化を引き起こす生活習慣病の管理、例えば運動と食事も非常に大事です。散歩をするだけでも脳梗塞(脳卒中)になるリスクが下がるといわれていますし、食事は減塩食が良いです。脳卒中に限らずあらゆる病気の予防にいえることですが、生活習慣の改善が非常に大事なのです。

診断と治療の基本は、“できるかぎり早く”

~ 診断と治療の流れ ~

脳梗塞の治療では、血管内部に詰まった血栓を薬物により溶かす治療(t-PA/血栓溶解療法)や、カテーテルを血管に入れて血栓を直接除去する治療(血管内治療)が主に行われます。脳梗塞の症状が現れてから、血栓溶解療法は4.5時間以内に、血管内治療は8時間以内に開始する必要があり、治療開始が早いほど後遺症が残るリスクを抑えられます。いずれの治療法でも、できるかぎり早く病院にかかる・診断をする・治療を開始することが基本となります。

カテーテル治療の進化 『血管内治療』

【 血管内治療とは? 】

足の付け根などからカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、血管内を通して器具を脳の病変部まで誘導し、原因となる血栓を取り除いて血流を再開させる治療法です。血管内治療に要する時間は平均3時間ほどで、ほとんどの場合が局所麻酔での治療となります。治療による傷が小さく術後の回復も早い『低侵襲治療』であり、脳神経外科の分野では、いま最も注目されている治療法といえます。

ステントによる血栓回収療法

脳梗塞の原因となっている血栓を、カテーテルで物理的に“掻き出す”治療です。主に太い血管に詰まった血栓に適応となります。この「血栓回収療法」により、今までなら手足の麻痺が残っていたような症例も、後遺症なく歩いて帰るというケースも増えてきています。発症から8時間以内が適応時間とされています。

① カテーテルの挿入

足の付け根などの太い血管からカテーテルを挿入します。血管の中を通しながら、カテーテルの先端につけられたステント(金属の網)を患部の血栓まで運びます。

② 血栓を絡める

カテーテルが血栓を貫通したことを確認し、血栓の中側からステントを広げます。網状のステントが拡張することで、血栓とステントを充分に密着させます。

③ 血栓とステントを回収

絡みついた血栓とともに、ステントを体外に回収します。

素材提供:日本メドトロニック株式会社

その他の血管内治療

● 吸引ポンプによる血栓回収療法

吸引力の強いポンプに接続されたカテーテルで掃除機のように血栓を吸引しながら回収します。血栓の大きさや位置などによっては、ステントと吸引ポンプを併用することもあります。

● 頚動脈ステント留置術

提供:Cardinal Health Japan G.K

脳梗塞を引き起こす『頚動脈狭窄症』の治療法です。風船(バルーン)付きのカテーテルを用いて血管の狭窄部位を拡張し、そこにステントを留置し狭窄を防ぎます。

血栓回収療法 ~覚えておきたいポイント~

メリット

  • 治療による傷が小さく回復までの時間が短く済みます。社会復帰が早くなります。
  • 発症してから8時間以内と、適応となる時間が長いです。
  • 開頭手術では後遺症が生じるリスクが高い脳深部に存在する病変に対して効果を発揮します。


留意点

  • 全ての脳梗塞治療で血管内治療を行うのが良いということではありません。治療法それぞれに一長一短があり、病変や患者さまの状態によっても適応となる治療法は変わってきます。
  • 血管内治療では医師に卓越した知識と技術が要されるため、現状では全ての病院で血管内治療を行えるわけではありません。

当院の取り組み

脳梗塞に対する血栓回収療法を行うには、1分・1秒でも早く治療を開始できるシステムが必要です。当院では血管内治療医が複数名在籍しているので、24時間・365日いつでも対応が可能です。体制構築・強化を図るべく、2016年8月より、神経系医師が24時間体制で病院内に待機し、救急対応を行っております。

オリジナルムービー【 世界水準の治療・血栓回収療法~脳卒中の危機を脱したその先へ~ 】

世界水準の治療・血栓回収療法~脳卒中の危機を脱したその先へ~ ※外部サイトへリンクします

脳梗塞(脳卒中)は時間を問わず突然起こります。
24時間365日、脳卒中の治療に対応している
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