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第7回 乳がんでは年間どのくらいの人が亡くなる?乳がんの治療はつらい?


(女性スタッフ)
日本人の死亡原因のトップはがんですが、では乳がんで亡くなる人の割合はどのくらいなんですか?

(鈴木医師)
乳がんで亡くなる人は、実は割合としては小さいんです。毎年日本では7~9万人の方が乳がんになっていますが、その中で亡くなるのは1万人程度なんです。若い人だと進行が早いというのは確かですが、大切なのは「標準的な正しい治療ができる医療機関で、正しい診断と治療を受ける」ということです。標準治療の開始が遅れると本当に手遅れになってしまうこともあります。自己触診などを意識し、早めに見つけ、標準的な正しい治療を受けて、確実に治してほしいです。

(女性スタッフ)
結婚もしてない、子供もいない若い人ほど、同じような境遇の人も少ないでしょうし、身内くらいにしか相談する相手もいないし…。正しい知識を知ってもらうってことは大事ですね。

(鈴木医師)
今の標準治療であれば、手術後の見た目も担保されるようになってきましたし、手術自体も短時間でできるようになりました。入院期間も数日です。また乳がんの場合、薬物治療が必要になったとしても抗がん剤の効果もがんの中では一番効きやすく、抗がん剤の副作用も一番少ないといわれています。比較的高齢の方でも抗がん剤治療ができますし、抗がん剤の副作用を医学的にコントロールする方法もかなり確立してきています。抗がん剤治療はつらくていやだ!と途中でリタイヤする人は、私の経験上ほとんどいませんよ。乳がんに対する正しい知識、「乳がんの標準治療は完遂できるんだよ!」っていうことを、ぜひ皆さんに知ってほしいです。

(女性スタッフ)
どうしても「がん」といわれると、髪の毛が抜けるとか、治療がすごくつらいとか、そういうイメージが先行してしまいますが…。

(鈴木医師)
病気によってはそういうこともありますが、乳がんに限って言えばそれは正確ではありません。確かに抗がん剤治療による脱毛はあります。乳がんでは、手術後にがんの再発を予防する目的で行う抗がん剤治療がありますが、それも最長で半年です。治療が終われば髪の毛も元通り戻りますし、普通の生活ができます。私は患者さんには、「その間にしかできないおしゃれを楽しみましょう!」って言っています。おしゃれなウィッグをいっぱい使ってみたり、その流れでメイクも上手になったり。乳がんになって今まで以上に輝く女性もたくさんいます。手術や抗がん剤治療をそんなに怖がらないで、正しい治療を受けて欲しいです。
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